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【国立科学博物館】特別展「深海2017〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」記者発表会レポート

2017年7月11日(火)から10月1日(日)まで、国立科学博物館にて特別展「深海2017〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」が開催されます。
4月25日に報道内覧会が開催されましたので、今回はその様子をお伝えいたします。

 

全長約5メートルのダイオウイカの標本展示が話題を呼び、60万人もの来場者を記録した特別展「深海」から4年—。
今夏、国立科学博物館で特別展「深海2017」が開催されます。
満を持して開催される本展では、「生物発光」「巨大生物」、「超深海」などに焦点を当て、最新映像とともにその実像を紹介。さらに、東北地方太平洋沖地震の実態にせまる「深海と巨大災害」「深海と資源」などを、実物の機材や映像・CGなどを駆使して紹介します。

 

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報道発表会では、見どころ説明として国立科学博物館の倉持利明氏から解説がおこなわれました。



 

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身体を発光させる能力を持つ深海生物は、なんと全体の9割におよびます。倉持氏が最初に紹介したのは、驚異の発光生物「クロカムリクラゲ」。刺激を受けると傘の表面から星屑のように光り輝く青い粉を撒き散らし、自分から離れた場所で発光します。
その目的については諸説ありますが、本展の「生物発光シアター」では、何のために光るのか?どのように光るのか?貴重な映像と多数の生物標本で発光の謎に迫ります。

 

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最大の記録では全長18mに達し、「海の魔物」と呼ばれて恐れられてきたダイオウイカ。2012年にはNHK取材班が世界で初めて生きている姿を深海で撮影することに成功しました。
本展ではダイオウイカをはじめとする巨大な深海生物の標本を展示。さらに貴重な映像で、その進化の謎を解き明かします。

 

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オンデンザメは、北太平洋の深海に生息しています。全長7mを超える巨大ザメですが、昨年、北大西洋に生息するニシオンデンザメが400年近く生きる「脊椎動物で最も長寿」な生き物であることがわかり、世間の注目を集めています。本展では全長約3mのオンデンザメの巨大標本を公開し、その謎に包まれた生態に迫ります。

 

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続いて壇上に立ったのは、海洋研究開発機構・海洋生物多様性研究分野長、藤倉克則氏。展覧会後半の見どころを解説してくださいました。

 

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東北地方太平洋沖地震後、有人潜水調査船「しんかい6500」による海底調査で、一連の地震活動で生じた海底の亀裂が数カ所で発見されました。他にも、世界最大の科学掘削船「ちきゅう」の緊急断層掘削プロジェクトなど、深海における調査が東北地方太平洋沖地震メカニズムの解明に大きく寄与しています。
本展では「ちきゅう」の船舶模型や海底下深部から採取された地震断層などを展示し、最新の研究成果を紹介します。

 

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深海底には大量の鉱物資源が眠っています。この章では、こうした有用な鉱物資源は一体どのようにできたのか、活用するのはどうしたらよいかを、最新の知見や研究成果とともに紹介します。

例えば、日本の領土で唯一太平洋プレートに乗っている南鳥島ではマンガンノジュールやレアアース泥が見つかっていますが、このマンガンノジュールはニッケルやレアアースなどのレアメタルも含有しており、最近はコバルトの含有量の高さが注目を集めています。

 

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暗闇で、高圧の深海を調査するには高性能の調査船や探査機の存在が不可欠です。本展では、2016年3月に完成した海底広域研究船「かいめい」をはじめ、現在も深海調査の第一線で活躍する機器を展示。日本が世界に誇る深海調査技術の一端を紹介します。

 

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報道発表会の会場に展示されていた地球深部調査船「ちきゅう」の1/300の模型。実際の展覧会では、この1/100モデルが展示される予定です!

 

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また、本展の関連番組としてNHK「ディープ・オーシャン」が取り上げられ、エグゼクティブ・プロデューサーの岩崎弘倫氏から番組の紹介がおこなわれました。第1集「潜入!深海大峡谷 光る生物たちの王国」が2016年8月28日に放送されて反響を呼び、続く第2集「南極 海氷の奥に潜む巨大生物(仮)」、第3集「超深海 地球最新への挑戦」が今夏に放送される予定とのことです。
こちらも展覧会と合わせ、ご覧になってみてはいかがでしょうか。


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報道発表会では、1960年に有人潜水調査船「トリエステ」でマリアナ海溝チャレンジャー海淵の10920mに到達することに成功したドン・ウォルシュ氏からのビデオメッセージも紹介されました。

人類の歴史で、地球最新部であるチャレンジャー海域の海底に到達したのはドン・ウォルシュを含め、たった3人というのが驚きです。エベレストの山頂に到達したのが6000人、月面着陸に成功した宇宙飛行士が12人ということを考えると、その驚異的な困難さがうかがい知れます。

 

私たちの足元にありながら、最も遠い場所である深海。
4年前からさらに進化した特別展「深海2017」は、さらに「深く」、新たな感動を私たちに届けてくれることでしょう。
開催されましたら、ぜひ足を運んでみてください。

巨大ヨコエビ 3Dプリント実物大模型 ※展覧会では本物の液侵標本を展示予定

巨大ヨコエビ 3Dプリント実物大模型 ※展覧会では本物の液侵標本を展示予定


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