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【国立科学博物館】「世界のヒョウタン展 -人類の原器- 」内覧会体験レポート

9月15日より国立科学博物館にて、「世界のヒョウタン展 -人類の原器- 」が開催されます。そのプレス向け内覧会に参加しましたので、その内容をレポートいたします。

今回のプレス向け内覧会では、一般財団法人進化生物学一般財団法人進化生物学研究所理事長兼所長の湯浅 浩史先生よりお話を1時間余りご説明を頂きました。その内容を含めて、企画展「世界のヒョウタン展 -人類の原器- 」の展示内容をご紹介します。

まず、日本ではくびれがあるものを連想するヒョウタンですが、世界には細長いものから、くびれがあったり筒状のものがあったりと様々な種類があります。中には、人の身長よりも高いものもあったり、豆粒のように小さなものがあったり、同じ種類にも関わらず、交配の仕方によって様々な種類を作り出すことができるとのことです。

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日本在来の種類は、30L未満の大きさにしかならないのようですが、アフリカの種と組み合わせることで上の写真の一番右側にあるような巨大なヒョウタンを作ることができるようになるとのことです。



また、ヒョウタンと人間の関わりの歴史は意外に古く、日本では9500年も昔から、またアフリカでは10000年以上も前から栽培されていたそうです。これは、他の植物も含めて最も古くから栽培されていた植物と考えられているそうで、その理由は「水」の確保のためだということです。このように古くから人間とのかかわりを持ち、また人間の活動範囲が広がるにつれ、世界各地にその生息域を広げていき、アフリカやユーラシア大陸のみならず、ポリネシアやアメリカ大陸にも生息域を広げていったようです。

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その使われ方は、まずは水筒として利用され、その後は、容器、装飾品、楽器など様々に使われ方をされていきました。その用途について、「世界のヒョウタン展」では世界各地の様々なものが展示されています。ここでは、その用途の中から、いくつか紹介していきます。

まずは、テレビなどでよく取材されているポリネシアの男性の「衣装」ですね。地域によって、長いものが好まれたり、太いものが好まれたりと「差」があるようです。さまざまな種類があり、見ているだけでも面白いです。また、「昼」用や「夜」用もあったり、中には人生を全うした後のものまであるとのことで、これらを見比べてみるのも面白いのではないでしょうか。

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次に容器を紹介します。古くからひょうたんは容器として用いられてきており、今回の企画展でも多くのスペースで展示されています。

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この中で特に興味深いお話があった容器は、以下の写真にあるようにアフリカで花嫁道具を運ぶ際に使用したものでした。

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アフリカにはタンスがなく、花嫁衣装を持ち運ぶ際には、このようにヒョウタンかごとして加工して使っていたようです。もちろん、このヒョウタンを加工したかごの数や大きさによって、その家の格式が分かってしまうので、花嫁のお家ではひょうたんの「かご」には気を使ったことと思います。

3つ目にヒョウタンを使った楽器を紹介します。

湯浅先生曰く、楽器の原型はヒョウタンとのことで、マラカスのような楽器が原型だったと想定されます。

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これが、弦楽器へと進化し、ヒョウタンに弓を付けて、振動させ音を出すものになったそうです。このため、ギターは、今でもヒョウタンの形をしているとのことです。今まであまり気になりませんでしたが、よくよく考えてみるとなぜあの形なのかと考えると納得がいきます。

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このように、ヒョウタンが様々な形があることや、ヒョウタンと人類の関わりを知ることができる展示会になっています。是非、ヒョウタンに興味がある方、植物に興味がある方等、国立科学博物館にお越しになり、「世界のヒョウタン展 -人類の原器- 」をご覧頂ければと思います。


 

展示概要:https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/1791

 


 

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