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「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」プレス向け内覧会レポート

今回は明日7月18日から東京都美術館にて開催される「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」のプレス向け内覧会があり見学してきましたので、レポートいたします。

「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」は『物を見つめ、集め、並べてみることから始まる、私たちの住む世界とのコミュニケーション』がテーマとなっていて、ノルウェーの新進作家オーシル・カンスタ・ヨンセンが描く絵本『キュッパのはくぶつかん』の主人公で物集めが大好きな丸太の男の子キュッパがこの展覧会の出発点となっています。物を集める過程のワクワクした気持ちが伝わってくるようなコレクションが様々な分野で展示されていますので、いくつか紹介していきます。

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まず栗田宏一さんの作品《SOIL LIBRARY / TOKAI》。
東海地方(愛知県、岐阜県、三重県)の旧市長村108カ所の場所から採取した砂の瓶が台にずらっと並んでいます。1個2個ではわかりませんが、108個の瓶が並ぶと茶色から黄土色、鮮やかなオレンジ色まで綺麗なグラデーションになっているのが一目で分かります。こんなに綺麗な色をしていたのだととても驚きました。それと同時に地域によってその土地の歴史が少しずつ違う事が感じられました。この作品を通じて土の色は茶色という固定概念が取っ払われ、この色の土地にはどんな特色があるのだろう、なんでこの色になるのだろうと自然と想像をしてしまい、普段あたりまえだと思っている事に対して改めて考える機会を与えてくれる作品でした。



 

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次にアラン・ケインさんの作品《Home for Orphaned Dishes》(忘れられた器たちの棲み家)。
白い棚にきれいに並べられた器たち。これらは1960年代から70年代のイギリスで注目を集めた、庶民的な工芸復古時代を象徴した陶磁器です。しかし流行の変化とともに格好がよくない、地味な物と思われるようになり多くの家庭の屋根裏などの片隅に眠っていったそうです。そういう忘れられてしまったものを集めた作品です。またこの作品は左側の空いたスペースに、観賞者が一番いらない器を寄付する事が出来る参加型の作品になっています。

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一番いらない器を寄付する時、その器にまつわる記憶、思い出などを振り返ってそのものと自分との関係性を考えるきっかけにもなります。どの家庭にも一つは食器棚に仕舞いこんで眠っている器があると思いますが、これを機にそういったものとまた向き合うのも面白いなと感じました。

 

今回の展示会では他にも観賞者参加型の作品があります。

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床やテーブルに広げられた1000点以上の物から観賞者が自由に分類やテーマを決めて標本箱を作ります。出来上がった標本箱は大きな棚に飾る事ができ、これも作品の一部となります。

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実際に自分なりの標本を作成してみました。自由にただ物を集めるだけと容易に思っていましたが、テーマを決めて頭の中でストーリーを考えてやっていくと意外と難しかったです。また人とまったく違う作品が出来る楽しさもありました。

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今回の展覧会は子供だけではなく大人も幼少期の気持ちに返ってワクワクするような展覧会となっています。「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」は10月4日まで開催しています。

 

開催のご案内はこちらまで
https://ueno.kokosil.net/ja/place/00001c000000000000020000003100f2

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