「もし写真や標本で記録を残さなかったならば、100年後にはその多くは消えてなくなってしまうだろう。」
(1920年 アーネスト・ヘンリー・ウィルソン)
屋久島にある巨大な切り株(ウィルソン株)にその名を残す英国人アーネスト・ヘンリー・ウィルソンは、アジアで主に活動したプラントハンターとしても知られる植物学者です。日本には大正初期の1914年から1919年の間に訪れ、サクラやツツジを欧米に紹介し、日本の植物学の発展にも貢献しました。同時に、日本国内で撮影した多数の写真も残していました。ウィルソンの写真から、100年を経て劇的に変わった風景と、対照的にいまなお命をつなぐ樹木の姿が浮かびます。
展示紹介
【日本館地下1階多目的室】100年前の東京と自然
ウィルソンが東京ならびに周辺で撮影した数々のサクラ、イチョウ、フジなどの植物や風景写真を展示します。現存するものもあれば、失われてしまったものも多くあります。100年前の写真と同じアングルから撮影した現在の写真、ウィルソンの人物像やサクラの研究についても紹介します。
【地球館1階オープンスペース】ウィルソンが見た鹿児島・沖縄
屋久島のウィルソン株や屋久杉の太古の森、鹿児島に残るクスノキの巨樹、大正大噴火直後の桜島、今は米軍基地の一部となった沖縄のリュウキュウマツ並木など、鹿児島や沖縄でウィルソンが撮影した写真と、現代の写真を展示します。
ウィルソンとは?
アーネスト・ヘンリー・ウィルソン(1876~1930)。中国奥地からハンカチノキやリーガルリリーをイギリスに持ち帰ったことでも知られます。中国、日本、樺太、台湾、朝鮮半島などを探検し、野生種と園芸植物も多数欧米に紹介しました。16歳でバーミンガム植物園の庭師見習いになり、21歳でキュー王位植物園に雇用され、のちにアメリカのアーノルド樹木園の園長を務めました。
展示概要
企画展名称 | 100年前の東京と自然-プラントハンター ウィルソンの写真から- |
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開催期間 | 2019年4月13日(土)~6月16日(日) |
開催場所 | 日本館地下1階 多目的室 及び 地球館1階 オープンスペース |
開館時間 | 午前9時~午後5時(金・土曜日及び4月28日(日)~5月5日(日)は午後8時まで。5月6日(月)は午後6時まで)*入館は各閉館時刻の30分前まで |
休館日 | 毎週月曜日(4月29日、5月6日、6月10日は開館)、5月7日(火) |
入館料 | 一般・大学生:620円(団体500円) 高校生以下・65歳以上:無料 *常設展示入館料のみでご覧いただけます。 |
主催 | 国立科学博物館 |
協力 | 古居智子(作家)、ハーバード大学アーノルド樹木園、(一財)沖縄美ら島財団、沖縄県立博物館・美術館、東京大学大学院理学系研究科附属植物園、(公財)屋久島環境文化財団、東京新聞、琉球新報社 |
講演会
1914、ウィルソン、東京、サクラ
日時 | 4月13日(土)14:00~16:00 |
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会場 | 国立科学博物館 日本館2F講堂 |
定員 | 100名 |
内容 | (1)「ウィルソンが見た100年前の東京と樹木」 講師:古居智子(作家) (2)「サクラの分類におけるウィルソンの功績」 講師:勝木俊雄(森林総合研究所) |
申込方法・期間 | こちらをご覧ください。 |
対象 | どなたでも |
備考 | 常設展示入館料は別途必要です。 (一般・大学生620円、高校生以下・65歳以上は無料) |