尾登誠一の「魂・発・素の軌跡」を企画テーマとした展示は、プロダクトデザイン、漆器開発プロジェクト、宇宙茶室、ISS微小重量環境下長期居住モジュールの研究、環境色彩計画の5つのゾーンで構成されている。33点の作品は、機能・演出という専門性を越境しつつ、自己のコンパスが描くサークルに取り込まれたカタチ化や環境化の具体である。恩師の座右の銘であった「デザインは愛であるという」というイズムは、宇宙環境の研究に端を発しながら、97歳の母のためのデザイン「きみ子さんの揺りかご」としてメタモルフォーゼした。67歳の藝大卒業作品である。
箕浦昇一はポスターを中心としたグラフィックデザイン、CM映像作品、その仕事の傍ら同時に制作を続けてきた絵画作品の、三つの軸をもった展示構成となっている。元来人とのコミュニケーションが好きな箕浦の作品は、どのジャンルにも人物を主として扱った作品が多い。多くの人間と出会い、仕事をしてきた今「自分は好きな事しかやってこなかった。好きな事をやり続けられた事に幸せを感じる。」と言う。この展示は43年間の仕事の「一つの区切り」の作品群である。
会期: 2016年1月6日(水)- 1月17日(日)
午前10時 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:会期中無休
会場: 東京藝術大学大学美術館 陳列館1階、2階
観覧料:無料
主催: 東京藝術大学美術学部、東京藝術大学大学美術館