2022年に東京上陸し、所蔵館外で世界初公開へ
『ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展』
東京都美術館にて2022年1月22日(土)~4月3日(日)開催
ドイツのドレスデン国立古典絵画館は、9月9日に記者会見を開き、所蔵するヨハネス・フェルメール(1632~75年)の初期の傑作《窓辺で手紙を読む女》について、修復が完了したことを発表し、修復後の作品を報道陣に初めて公開しました。2017年に始まったプロジェクトでは、背景の弓を持つキューピッドの画中画を隠していた大規模な上塗りが、フェルメールの没後に何者かの手で行われたものだと判明し、その上塗り層を除去する修復も行われました。本作品は、所蔵館で9月10日から始まったフェルメールに焦点を当てた展覧会で一般公開されています。来年1月22日(土)からは、東京都美術館(東京・上野公園)で開催される「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」(主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、産経新聞社、フジテレビジョン)で展示され、その後、北海道、大阪、宮城の3都市でも順次公開されます。
本展の注目作品である17世紀のオランダ絵画の巨匠ヨハネス・フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》 は、窓から差し込む光の表現、室内で手紙を読む女性像など、フェルメールが自身のスタイルを確立したといわれる初期の傑作です。本作品は、1979年のⅩ線調査で壁面にキューピッドの描かれた画中画が塗り潰されていることが判明し、長年、その絵はフェルメール自身が消したと考えられてきました。しかし、2017年の調査により、フェルメール以外の人物により消されたことが新たに分かり、翌年から画中画の上塗り層を取り除く修復が行なわれていました。修復を終え、同館館長のシュテファン・コーヤは、「背景のキューピッドの修復によって、画家の真の意図が見えてきます。単なる恋愛という文脈を超えた、真実の愛というものについての根源的なメッセージです」と述べています。キューピッドの画中画の出現は、この絵画そのものの解釈にも影響をあたえ、今後さらなる研究・調査が期待されます。
■修復前
■修復後
◆みどころ
●フェルメール《窓辺で手紙を読む女》を修復後、所蔵館以外で世界初公開!
隠されていたキューピッドの画中画が姿を現した本作を、所蔵館でのお披露目に次いで公開します。修復後の姿を公開するのは、所蔵館以外では世界初となります。
●修復プロジェクトの過程をご紹介
上塗りされた絵具層を慎重に取り除き、徐々に姿を現していくキューピッド。その修復の過程を、映像等でご紹介します。
●ドレスデン国立古典絵画館が誇る17世紀オランダ絵画コレクション
フェルメールだけでなく、レンブラント、メツー、ファン・ライスダールといった17世紀オランダを代表する画家たちの名品約70点を展示します。
【開催概要】
展覧会名:ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展
英語展覧会名:Johannes Vermeer and the Dutch Masters of the Golden Age from the collection of the Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden
会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
会期:2022年1月22日(土)~4月3日(日)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、産経新聞社、フジテレビジョン
特別協力:ソニー・ミュージックエンタテインメント
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://www.dresden-vermeer.jp
※休室日、開室時間、観覧料などは、決まり次第、展覧会公式ウェブサイト等でお知らせいたします。
※展示作品、会期等については、今後の諸事情により変更する場合がありますので、最新情報は展覧会公式ウェブサイト等でご確認ください。
巡回展:
【北海道展】北海道立近代美術館 2022年4月~6月 ※調整中
【大阪展】大阪市立美術館 2022年7月16日(土)〜9月25日(日)
【宮城展】会場、会期ともに調整中