ツェリン・ヤンドン・ワンチュク 第 4 代国王妃陛下と鶴田真由さん
日本・ブータン外交関係樹立30周年記念事業として、上野の森美術館にて、ブータンの文化や王室を紹介する 「ブータン~しあわせに生きるためのヒント~」(以下ブータン展)が5月21日から7月18日まで開催されます。ココシル上野では、ブータン展の内覧会に参加し、その展示の様子を取材しましたので、レポートいたします。
ブータン展は、イントロダクション含め4つのパートから成り立っています。
- イントロダクション 伝統的な祭りツェチュ
- 第一章 ブータン的生活様式
- 第二章 ブータン仏教と信仰
- 第三章 愛されるブータン王室
この中で印象的な展示内容について3つご紹介いたします。
【見どころ① 「仏画と仏像」の比較展示】
まず、一番の見どころは、「第二章 ブータン仏教と信仰」に複数展示されている「仏画と仏像」の比較展示になります。
仏画で描かれたものが、実際に仏像として見ることができるところが斬新で、興味深く感じました。仏像は信仰の対象として作られたものと想像しますが、仏画はブータンでどのように信仰されていたかをうかがい知ることができる展示物として、それらを比較しながら楽しむことができます。
【見どころ② ブータンの衣装】
2番目の見どころは、「第一章 ブータン的生活様式」に展示されているブータンの男女の衣装です。
ブータン王室の衣装を見学する女優の鶴田真由さん
女性用衣装「キラ」
男性用衣装「ゴ」
ブータンでは、男性用と女性用で衣装が異なっており、男性用は「ゴ」という日本の着物のような服になります。女性用は、「キラ」という長方形の布を身体に巻きくるぶし丈に着用します。「キラ」は制作に非常に時間がかかり、半年の時間を要するものだそうです。
【見どころ③ ブータンを体験できる】
イベントコーナーが準備されており、「ブータンの衣装」や「マニ車」を体験することができます。
4点準備されたブータンの衣装
マニ車を紹介するブータン王国国立博物館 館長 ケンポ・プンツォク・タク 僧正
マニ車は、時計回りに一回まわすとお経を読んだのと同じ効果が得られると言われています。ブータンでは大きなものから小さなものまであるそうですが、是非上野の森美術館で一度体験してみてはいかがでしょうか。
ブータンは、2005年の国勢調査で、「幸せ」もしくは「とても幸せ」と回答した人が、97%を占めたという統計で世界を驚かせました。この展示会場でも、ブータンに行ったことがある方々がブータンの人々と会話をした結果、多くの方が「幸せ」だと回答したと話しています。この展示会を通して、物質的なものから得られる「幸せ」ではない、「幸せ」を感じるなんらかのヒントを得ることができるのではないかと思います。また、ブータンは、何か日本の明治維新前を思い出すような雰囲気もあり、現在の日本人が忘れかけた「何か」を感じることができるのではないでしょうか。
是非、ブータン展で物質的なものから得られる「幸せ」ではない、人類も含めた動物が普遍的に感じる「幸せ」を得るヒントを探してみてはいかがでしょうか。
「ブータン~しあわせに生きるためのヒント~」の開催概要はこちら: