Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

【上野の森美術館】「ポール・スミス展」内覧会レポート

2016年7月27日から8月23日まで、東京・上野の森美術館で展覧会「HELLO,MY NAME IS PAUL SMITH」が開催されます。本日、そのプレス内覧会が催されましたので、展示の様子をお伝えいたします。

 

イギリスを代表するファッション・デザイナーとして、独自の地位を築き上げてきたサー・ポール・スミス。1998年に開催された「ポール・スミス トゥルーブリット」展以来、日本においては二回目の大型展覧会となる本展は、先行して開催された京都では1日の来場者が4000人を超え、大きな話題となっています。

ポール・スミス自身がプロデュースした今回の展示は、トップファッションブランドとして地位を確立するまでのキャリアをあらためて振り返り、ポール・スミスのデザイナーとしての本質に迫ることができる内容となっています。

ポール・スミスの一号店となったオフィスやショップの再現、彼自身の内面を表現したインスタレーション、そして秘蔵のコレクションなど・・・。膨大な展示品は約2800点に及び、ファッション、美術、写真など、非常に多角的な視点から楽しむことができます。それはまるで、ポール・スミスの生涯、そして創造の過程を追体験しているかのよう。

 

それでは、展示風景をご紹介していきます。


 

ポール・スミス一号店の再現

ポール・スミス一号店の再現

 

1970年、イギリスのノッティンガムの裏通りにオープンした、たったひと部屋の一号店。ここでは、そのショップが当時のサイズそのままに再現されています。広さはたったの3メートル四方。現在の隆盛を思えば、ミニマムなこの店舗のサイズはどこか微笑ましく感じられます。

 



0727-1867

0727-2039

 

壁面には、妻ポーリーンへ捧げるメッセージが。
公私におけるパートナーであり、そしてポールにファッション・ビジネスの基礎を教えたポーリーン・デミア。開店当時は彼女がデザインを担当していたそうです。
全ては、ここから始まったのですね。

 

0727-1969

0727-1878

 

こちらは、「ポールの頭の中」を表現した映像インタレーション。
「アイディアはどこからでも湧いてくる」
そう語るポールは、偶然頭の中に入ってきたイメージを逃さないよう、デジカメで写真を撮り、スケッチや単語、電話番号にいたるまで記録し、あらゆるものからインスピレーションを得ていたそうです。

このブースでは、宙に浮かぶ大小さまざまなモニターに、ポールが撮りためた写真が次々に映し出されていきます。まさにポールの日々の感覚を追体験しているようで、不思議な感覚!

他にも、ポールのクリエイションの秘密にせまる展示が多く紹介されています。

 

0727-1764

 

彼が10代の頃から集めてきた膨大な絵画コレクションの一部が、所狭しと並ぶ通路。アンディ・ウォーホル、バンクシー・・・。その中には名だたるポップ・アーティストの作品も!

 

0727-1779

 

こちらは、ロンドン・コヴェントガーデンにある彼のオフィスを細部にいたるまで再現したもの。本、自転車、カメラ・・・世界中から収集した「モノ」であふれています。

 

0727-1791

 

印象的だったのは、「人は見ているようで、往々にして見えていない」というポールの言葉。
ポールは、この一見雑然としたイメージや映像から、いったい何が見えていたのでしょう。あなたもぜひ、会場で体験してみてください。

 

0727-1898

 

ポール自身「刺激的でチャレンジングな試み」と語る、他社とのコラボレーションの歴史が、「Collaborations」のコーナーで展示されています。
カメラ、オートバイ、スノーボード、ソースの容器など、その分野は多岐に渡り、「えっ、こんなものまで!」という意外なものもあります。

 

0727-1821

 

本展覧会で「世界初公開」!
初期のコラボレーション作品、ローバー社の自動車「MINI」。明るいキャンディーストライプのデザインが可愛い!シャツの柄をモチーフにしたというこのデザイン、ポール・スミスならではですね。

 

0727-1929

 

ポール・スミス社は現在、メンズとウィメンズに加え、日本限定のメンズコレクションを1つ展開しています。日本はポールにとって、第二のホームグラウンド。特別な思い入れがあるようです。写真中央の服にも、オリエンタルな香りが感じられ、どこか日本人の心の琴線に触れるデザインだと思いました。

この「Collection」のコーナーでは、過去のコレクションから2016年の春夏コレクションを含む、さまざまなラインナップを展示しています。

また、「Collection」では、ポール自身「カクテルをつくる過程」と呼ぶ、ファッションショーの様子が、ポールへのインタビューをまじえて動画で紹介されていました。私は初めてポール・スミスが肉声で語る様子を見たのですが、白髪まじりのその容貌は充実感にあふれ、語り口は若者のように挑戦的でした。

「洋服に秘密を持たせるのが好き」
「同じように見えるショップは嫌い。個性的なショップが好きなのです」
ポール・スミスはその言葉もとても魅力的です。

 

0727-2012

 

キッチュなもの、美しいもの、金銭的価値のあるもの、ないもの。聖と俗。ポール・スミスはこの世界にあふれる「モノ」に魔法をかけるように、今日も新たなデザインを生み出しています。
本展覧会は、そんなポール・スミスの秘密に迫る、またとない機会です。
ポール・スミスが好きな人も、初めてポール・スミスを知る人も。
「Hello!」と人懐っこい笑みで、ポールが出迎えてくれることでしょう。

 

会期は8月23日まで。この夏、ぜひ足を運んでみてください!

0727-1955


展示会の開催概要はこちら:
https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/8123


 

 

Top