国立科学博物館(館長:篠田 謙一)は、当館が有する「小山ひさ子氏の太陽黒点スケッチ群」(約1万枚)が2021年度(第4回)日本天文遺産に認定されたことを記念して、科博NEWS展示を開催いたします。
科博NEWS展示のご案内
小山ひさ子氏は、1946年に東京科学博物館(現 国立科学博物館)に就職し、太陽の観測に精力的に取り組みました。64歳で退官した後も当館での観測を継続し、1997年に80歳で亡くなるまで半世紀にわたって観測をライフワークとして継続しました。
彼女の太陽黒点観測データは長期間にわたり同一の方法により記録された質の高いものであることから、太陽活動の変化を調べるための基準データの一つに採用され、国際的にも大きく評価されています。
当NEWS展示では、彼女の精緻な黒点スケッチとともに、その観測方法や長期観測の意義、太陽活動が私たちの生活に及ぼす影響についてパネルを用いて紹介します。また、彼女が実際に観測に用いた望遠鏡は、地球館地下3階に常設展示されています。
【開催期間】 2022(令和4)年5月24日(火)~6月19日(日)
【開催場所】 国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
日本館B1階 シアター36○入口前 付近
当館理化学研究部の主任研究官を勤めた小山ひさ子氏が観測した50年におよぶ太陽黒点スケッチ群(約1万枚)が日本天文遺産に認定されました。小山氏の業績は当時少なかった女性研究者が成し遂げた大きな成果としても注目をあびています。
一人の観測者が長期間同じ方法で行ったその精緻な観測は、非常に重要で、小山氏の観測は太陽活動の長期変化を調べるための基準の1つに用いられています。太陽活動は私たちの生活に大きな影響をおよぼすことが知られていますが、太陽黒点の増減は太陽活動の状況を測るうえで重要な指標とされています。
当NEWS展示では、その精緻なスケッチとともに、小山氏の太陽黒点の観測方法や長期観測の意義、太陽活動が私たちの生活におよぼす影響などをパネルを用いてご紹介します。
※日本天文遺産とは…
歴史的に貴重な天文学・暦学関連の遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝え、その普及と活用を図るために、2018年度から日本天文学会が始めたものです。これまでに10件が認定されています。
小山氏が実際に黒点観測に用いた「20cm屈折赤道儀」は地球館地下3階に常設展示されています。1931年から2005年までの73年間、天体観望や黒点観測に用いられました。