本日、東京国立博物館にてプレス向けの内覧会があり、明日7月11日から開催される「クレオパトラとエジプトの王妃展」を見学してきましたので、レポートいたします。
今回の「クレオパトラとエジプトの王妃展」ですが、これまで開催された数あるエジプトの展示会の中でも珍しく、王妃を中心にした展示会となっています。このため、展示の主体は、エジプトの王政に関わった「王の母」、「王妃」、そして自ら女帝となった方々の展示が中心です。
一番の見どころは、展示会のタイトルともなっているようにクレオパトラに関するものではないでしょうか。エジプト王朝最後の女帝となったクレオパトラは、その美貌は伝説となっていますが、実は数カ国語を操る等、知性を兼ね備えた人物であったようです。実際の銅像も幾つか展示されており、歴史を変えたと言われるその美貌をうかがい知ることができます。
クレオパトラは、ローマ帝国の時の権力者とも関係を持ち、エジプト王朝を守ろうと画策しますが、最終的にはローマ帝国初代皇帝となるオクタウィアヌスに敗れ、エジプト王朝は滅亡することとなります。後世のヨーロッパにおいて、その時の様子を記した絵画が描かれており、今回もいくつか展示されています。
クレオパトラの他にも古代エジプトで大きな影響力を誇示したハトシェプスト女王、アメンヘテプ3世の王妃ティイ、ネフェルトイティ等の著名な王妃に関する展示が紹介されています。
ハトシェプスト女王は王妃から完全な王権まで掌握した数少ない王妃ということで展示されていますが、権力を誇示する目的の為、銅像には髭を蓄えたものも展示されています。
これと対照的に、夫のよき助言者として働いたアメンヘテプ3世の王妃ティイは、若く美しい姿がレリーフとして残されて展示されています。
また、「クレオパトラとエジプトの王妃展」の前半部分では、男性の王が中心の社会から、「王の母」が大きな力を持つようになり、次第に「偉大なる王の妻」という称号を持つ女性が現れるようになる等、時代と共に女性が社会の中で力を持つようになってきたことが説明されています。この他にも、王をとりまく女性の生活や装飾に関しても展示されており、当時の華やかな生活をうかがい知ることが出来るようになっています。
「クレオパトラとエジプトの王妃展」では、女性を中心にした展示を見学しながら、古代エジプト王朝の歴史を楽しむことができるようになっています。古代エジプトの見応えがあるレリーフや装飾品など貴重な展示物が数多く展示されていますので、この機会をぜひお見逃しなく!
開催のご案内はこちらまで
https://ueno.kokosil.net/ja/place/00001c00000000000002000000310100