Photo©RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Philippe Fuzeau / distributed by AMF
2017年2月28日(火)から5月28日(日)まで、「シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才」が国立西洋美術館にて開催されます。
フランス・ロマン主義の異才テオドール・シャセリオー(Théodore Chassériau 1819-1856)の芸術を日本で初めて本格的に紹介する展覧会です。
アングル門下の異端児テオドール・シャセリオーは、11歳で入門を許された早熟の天才ですが、ロマン主義の潮流の中でしだいにアングルの古典主義を離れ、独特のメランコリックな情熱と抒情を湛えた作品世界を作りあげていきました。アルジェリアを旅して彼の地の人々や風物を色彩豊かに描いたシャセリオーはオリエンタリスム(東方趣味)の画家にも数えられます。しかしカリブ海のスペインの旧植民地に生まれ、父親不在の寂しさや師との芸術的葛藤を抱えつつ独自の芸術の道を模索したこの画家自身が内面に異邦的(エキゾティック)なるものを持っていました。神話や聖書、シェイクスピア文学の一場面にせよ、東方主題にせよ、あるいは人々の肖像にせよ、いずれの作品にも漂う「エキゾティスム」こそがシャセリオー芸術の本質であり、観る者の心に響きます。
今日ではフランス・ロマン主義を代表する画家に数えられるシャセリオーですが、37歳で早逝したことや代表作の壁画が破壊されたこともあって正当な評価が遅れ、フランスでも回顧展の開催は1933年と2002年を数えるのみです。本展では、ルーヴル美術館所蔵品を中心に、絵画約40点、水彩・素描約30点、版画約10点、写真や資料などによってシャセリオーの画業全体を紹介するとともに、師や仲間、そしてこの画家から決定的な影響を受けたギュスターヴ・モローやピュヴィス・ド・シャヴァンヌらの作品約20点もあわせて展示し、ロマン主義から象徴主義への展開、そしてオリエンタリスムの系譜のなかでその芸術の意義を再考します。今回の展覧会は、フランスでもその作品をまとめて見る機会が少ないシャセリオーの作品世界に触れる絶好の機会です。ぜひご覧ください。
《カバリュス嬢の肖像》 テオドール・シャセリオー 1848年 カンペール美術館
Collection du musée des beaux-arts de Quimper
《雌馬を見せるアラブの商人》 テオドール・シャセリオー 1853年 ルーヴル美術館(リール美術館に寄託)
Photo©RMN-Grand Palais / Jacques Quecq d’Henripret / distributed by AMF
《自画像》 テオドール・シャセリオー 1835年 ルーヴル美術館
Photo©RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi / distributed by AMF
《東方三博士の礼拝》 テオドール・シャセリオー 1856年 プティ・パレ美術館
© Petit Palais/Roger-Viollet
【開催概要】
展覧会名 | シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才 |
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会 期 | 2017年2月28日(火)~2017年5月28日(日) |
会 場 | 国立西洋美術館 |
開館時間 | 午前9時30分~午後5時30分 毎週金曜日:午前9時30分~午後8時 ※入館は閉館の30分前まで ※シャセリオー展は土曜日の夜間開館はありません。 |
休館日 | 月曜日(ただし、3月20日、3月27日、5月1日は開館)、3月21日(火) |
観覧料金 | 当日:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
団体:一般1,400円、大学生1,000円、高校生600円 ※団体料金は20名以上。 |
主 催 | 国立西洋美術館、TBS、読売新聞社 |
後 援 | 外務省、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、TBSラジオ |
協 賛 | みずほ銀行、損保ジャパン日本興亜、野崎印刷紙業 |
協 力 | Les Amis de Théodore Chassériau、エステバン、日本貨物航空、日本航空、日本通運、西洋美術振興財団 |
お問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
展覧会公式HP | http://www.tbs.co.jp/chasseriau-ten/ |
国立西洋美術館HP | http://www.nmwa.go.jp/ |