《二曲御屏風》(腰彫菊花文様)のうち右隻 昭和3年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
およそ100 年前。大正から昭和最初期の頃に、皇室の方々の御成婚や御即位などの御祝いのために、当代選りすぐりの美術工芸家たちが技術の粋を尽くして献上品を制作しました。中には、大勢の作家たちが関わった国家規模の文化プロジェクトがありましたが、今日ではそれを知る者がほとんどいなくなっています。いったん献上されたそれら美術工芸品は、宮殿などに飾り置かれていたために、一般の人々の目に触れる機会が極めて限られてきたからです。
古くから皇室は、日本の文化を育み、伝えてきましたが、近代になってからは、さまざまな展覧会への行幸啓や作品の御買上げ、宮殿の室内装飾作品の依頼などによって文化振興に寄与してきました。皇室の御慶事に際しての献上品の制作は、制作者にとって最高の栄誉となり、伝統技術の継承と発展につながる文化政策の一面を担っていました。大正期には、東京美術学校(現、東京藝術大学。以下美術学校)5代校長・正木直彦(1862 ~1940)の指揮下で全国の各分野を代表する作家も含めて展開された作品がこの時代の美の最高峰として制作されました。本展では、宮内庁に現存する作品とともに、その制作にまつわる作品や資料を紹介いたします。
本展のみどころ
1、100年前の皇室が支えた、知られざる国家規模の文化プロジェクトの全貌を紹介!
2、横山大観、上村松園、安田靫彦、高村光雲、六角紫水・・・・・皇室献上後、皇居外で滅多に公開されない作品が勢揃い!
3、当代選りすぐりの各分野の美術工芸家130人余りが力を結集し、5年もの歳月をかけて完成した《御飾棚》と数々の装飾品などが、皇室献上後、皇居外で初公開!
【開催概要】
展覧会名 | 東京藝術大学創立130周年記念特別展『皇室の彩(いろどり)百年前の文化プロジェクト』 |
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会 期 | 2017年10月28日(土)~11月26日(日) |
会 場 | 東京藝術大学大学美術館展示室1・2 (〒110-8714東京都台東区上野公園12-8) |
開室時間 | 午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで) *会期中の金曜日および土曜日は午後8時まで開館(入館は午後7時30分まで) |
休室日 | 月曜日 |
観覧料金 | 一般 1,300(1,100)円、高校・大学生 800(600)円 *中学生以下は無料 *障害者手帳をお持ちの方とそ介助1名は無料 *( )は 前売券および20名以上の団体料金 *団体観覧者20名につき1名の引率者は無料 |
主 催 | 東京藝術大学、NHK、NHKプロモーション |
協 力 | 宮内庁 |
ホームページ | http://www.geidai.ac.jp/museum/ |
お問合せ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |