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【東京国立博物館】フランス人間国宝展 内覧会レポート

東京国立博物館 表慶館では、2017年9月12日(火)から11月26日(日)までの間、「フランス人間国宝展」が開催されます。9月11日に内覧会が開かれましたので、その内容をレポートいたします。

 
フランス人間国宝(メートル・ダール)は、フランス文化・通信省により、伝統工芸の最高技能者に授与される称号です。1994年に日本の通称「人間国宝」(重要無形文化財保持者)にならって作られました。



本展では、この「メートル・ダール」の認定を受けた13名の作家と、次期「メートル・ダール」と目され、「手の賢さに捧げるリリアンヌ・ベタンクール賞」を受賞した作家2名の、合計15名の工芸作家の作品およそ230件が紹介されます。

さらに、世界的に注目される建築家リナ・ゴットメが空間デザイナーを務め、影と光を用いて作品の魅力を最大限に引き立てます。

 
陶器(ジャン・ジレル)
来場者がまず目にするのは、薄暗い部屋に飾られた陶器の作品群です。中央のテーブルには曜変天目茶碗が並べられ、それぞれに小さな灯りがあてられています。漆黒の器が光彩を放ち、まるで星空が広がっているかのような曜変天目茶碗は、世界的陶芸家ジャン・ジレルの集大成とも言える作品たちです。
 
0911-5280
 
0911-5300

 
壁紙(フランソワ=グザヴィエ・リシャール)
壁紙が飾られている部屋では、昼から夜へ時間が移ろうように照明の明るさが変化します。壁紙に浮かび上がる模様は、受ける光により趣を変えていきます。また、空間を狭くすることで、親密感を演出しています。

作品を制作した壁紙作家のフランソワ=グザヴィエ・リシャールは、国内外の歴史的建造物の壁紙を数多く手掛けることで、各時代の技術を再発見し、道具や技術の再発明に努め、常に新たな可能性を探求しています。
 
0911-5394
 
0911-5368

 
傘(ミシェル・ウルトー)
傘デザイナーのミシェル・ウルトーは、幼少期に傘に魅了され、傘を分解しては組み立て直すことに没頭していたといいます。彼が制作する傘からは、洗練されたエレガントさが感じられます。
 
0911-5401
 
0911-5413

 
扇(シルヴァン・ル・グエン)
柔らかさ、力強さ。美しさ、歪さ。最年少38歳でメートル・ダールの認定を受けた扇作家、シルヴァン・ル・グエンが制作する扇は、優雅で官能的な遊び心に溢れています。その作品からは、伝統と革新の両方を味わうことができます。
 
0911-5398
 
0911-5419
 
0911-5410

 
紋章彫刻(ジェラール・デカン)
ジェラール・デカンは紀元前4世紀にメソポタミアで誕生した円筒印章に刺激を受けた紋章彫刻作家です。本展では、彼が制作した初めての円筒印章のほか、初の試みとなるガラスの表面に刻印を施した作品が展示されています。
 
0911-5479
 
0911-5485

 
本展の監修を手掛けるエレーヌ・ケルマシュテール(キュレーター)は、15名の作家の選定理由について、卓越した技術で常にイノベーションに取り組んでおり、さらに一生をかけて研究をおこなっている点を挙げていました。

皆様もぜひ、フランス人間国宝の作品に触れ、その技術の高さ、そして彼らの人生の美学を体験してみてはいかがでしょうか。

 
開催概要はこちら
https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/17707
 

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