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うちのイチオシ!江戸中期から続く老舗うなぎ割烹「伊豆栄」

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「うちのイチオシ!」

このコーナーでは、お店や施設の「イチオシ!」のモノ、人、場所、こだわりなどのお話をお伺いしていきます。


今回、訪問させていただいたのは「伊豆栄 本店」さん。
 
江戸中期から続く老舗うなぎ割烹さんです。お話をお伺いさせていただいたのは、伊豆栄 9代目女将 土肥好美さんです。
 
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⇒ 最初に、お店について教えていただけますか。

うなぎ割烹「伊豆栄」としてここ上野で商いを始め、290年以上になります。創業は江戸中期。私で、9代目になります。

昔、不忍通りをずっと行ったところにある、根津・千駄木の言問通りには、川が流れていて、その向こうにある汐見町は入江になっていたそうです。海から川へ水が流れ込んできていて、この辺りはとても土地が低いので、この伊豆栄の前にある不忍池にも流れてきていたと聞いております。
 
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今でこそもう人工池なのですが、その時代は、この不忍池でもうなぎが取れ、先代は、この不忍池のうなぎと出会い、うなぎやさんを始めたのが最初と伝えられております。

また、昔は「い」から始まる言葉、たとえば「伊豆」を屋号にすると非常に粋だという風潮があり、うちも「伊豆」が「栄」えるということで、「伊豆栄」という屋号がつきました。昔から続くお店は「い」から始まる屋号が多いと思いますよ。

現在は、上野に3店舗、永田町に1店舗、佐渡島に1店舗、吉祥寺は串売りだけですが、東急百貨店に1店舗があります。

 



⇒ さっそくですが、伊豆栄さんの「イチオシ」を教えてください。

うちのイチオシは、「うなぎどんぶり」です。
 
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うな重というお重スタイルは、定番化していますが、今回は、どんぶりということにこだわって、イチオシとさせていただきます。殿重という二段重ねの商品もあるのですが、やはり皆さんに味わっていただきたいので、「うなぎどんぶり」にしました。

 

⇒ お重とどんぶりの違いはなんでしょうか?

はい、これもよくお客様にお重とどんぶりはなにが違うの?と聞かれるのですが・・・、本当に器の違いだけなんですよ。
 
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お重は、すみをつついてお召し上がりになりますが、おどんぶりは、お茶碗の延長、ばーっとかっ込んで召し上がれるもの。高級なんだけど、親しみやすさ、食べやすさがあるのが、おどんぶりです。この「どんぶり」のスタイルって、日本の文化だと思いませんか?ぜひ、そこも感じて味わっていただきたいと思っています。

 

⇒ どんな方にオススメですか?

うなぎと聞くと、すこし高いイメージがあったり、苦手な方もいらっしゃるのですが、ぜひ、専門店で出来たてのうなぎを召し上がっていただき、うなぎというのはこんなに美味しいものなんだというのを味わって欲しいなと思います。うなぎは、栄養価も高いし、元気になる食材でもありますからね。

お客様は、おじいちゃん、おばあちゃんとご一緒にお越しになるご家族連れが多かったり、夜は、ご接待でご利用される方も多いのですが、結構若い方も多くお越しいただいております。

また、最近は、海外の方も多くいらっしゃいますね。海外に向けては何も宣伝はしていないのですが、口コミでも広がっているみたいで、本当にたくさんの方にお越しいただいています。
 
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これからオリンピックに向けて、どんどん海外からのお客様も増えてくると思いますし、日本の食文化も注目されると思います。和食の分類の中で、おすし、てんぷらとありますが、うなぎも絶対に欠かしてはならないとすごく思っています。
 
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うなぎの蒲焼は、これ自体が日本の誇れる独自文化だと思いませんか?だって、捕って、捌いて、焼いて、蒸して・・・こんなに手の込んだ調理法をするのは日本特有ですよね。こんなすごいことって他にないと思いませんか?

ぜひ、老若男女、国内外を問わず、多くの方に本物を召し上がっていただきたいですね。

 

⇒ 上野で290年以上もご商売をやられていますが、伊豆栄さんにとって上野ってどのようなところですか?

上野って文化の宝庫なんですよね。上野の山文化ゾーンといって芸術・文化にも力を入れていて、美術館や博物館、文化施設がぎゅーっと凝縮した形で詰まっている街なんです。ですので、上野にお出かけになったら、ぜひ文化に触れて、おなかがすいたら街へ繰り出し、上野を楽しんで欲しいですね。

上野公園と上野の街は、タイアップ、コラボしながら成長しています。これは今に始まったことではなく昔からです。文豪の小説の中にもたくさん出てきますよね。上野の森で文化や歴史に触れ、散歩しながら上野の街や本郷へ繰り出し遊ぶのが粋だったと言われていましたので。

今、上野は様変わりしていますが、それでも老若男女、どなたがお見えになっても居心地のよい場所が上野だと思っています。ひとつ路地を入ると、え?こんなところあるの?というった驚きもまだまだたくさんあります。

やっぱり、上野は今までもこれからも日本の文化の象徴でいてほしいと思っています。我々、老舗も、古きよきもの、上野の文化をずっと語り続けていけるお店でありたいと思います。最近は、老舗っていう言葉も少なくなってきていますからね。

上野で芸術文化に触れたらぜひ「伊豆栄」でおなかも満たして欲しいですね。

 

⇒ 「伊豆栄」さんは新しい取組みにも積極的にご参加されているそうですね。

はい。地元って大切にしたいですよね。上野で商いをやっている以上、上野を大切にして、上野をPR出来なかったらダメだと思っています。上野愛です(笑)
 
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何が出来るというわけではないのですが、商いを続けていくことで上野を活性化していけることがあれば、協力させていただきたいと思っています。そこで、新しい取組みとして、湯島、御徒町、上野エリアで開催される「食べないと飲まナイト」にも参加しています。

 

⇒ 老舗の店舗さんが参加されるのは珍しいのでは?

今回で8回目なのですが、第1回目から参加させていただいていますよ。
 
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やっぱり若い方が来てくれないと、若い方が動いてくれないと、街ってダメなんだと思うのです。

「食べないと飲まナイト」に参加してくれる方は、そのイベントメニューだけ味わって帰ってしまう方もいると思う。でも、「伊豆栄」に行ったよー、メニューこんなんだったよーとか、お友達に話す、SNSに投稿する、それだけでも良いのです。また、せっかく来たから、みんなで1個をシェアして味わってみようという方たちもいらっしゃいます。それでいいんですよ!だってイベントですから。

通常じゃ出来ないけど、こういったイベントではそれが許される。

こういうイベントに参加することで、お店を知ってもらい、味を知ってもらい、また足を運んでもらえるきっかけになる。若い方には積極的にこういったイベントを活用して、色々なお店に足を運んで欲しいなと思っています。

こんなに地元を盛り上げられるイベントに上野で商いをしていて参加しないでいられますか?(笑)

 

⇒ 上野愛 ですね!

本当に、この下町の良さ、上野、湯島、御徒町の良さっていうのを伝えたい。守りだけではダメなので、やっぱりいろんな事に挑戦しながら暖簾を守り、次の世代に必ずバトンタッチするのが、私の夢ですね!
 


 
本店の店先には、「いす型昇降機」も設置してありました。「伊豆栄不忍亭」は、全面フラットにしてバリアフリー対応をしているそうです。おじいちゃん、おばあちゃんと安心してお店に行くことができますね。

先祖代々、伊豆栄さんのうなぎを食べに通っているご家族もいらっしゃるそうですよ。創業290年もの歴史のある老舗ならではですね。
 
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老舗でありながら、常に新しい風を吹き込む姿勢、上野での商いを通して、地元を愛し、地元を活性化させたいという熱い思いを持った粋でとっても素敵な女将さんでした。

ぜひ、「伊豆栄」さんで歴史を感じながら本物のうなぎを味わってみてくださいね。
 


 
ココシル情報

初めてのお店にも気軽にハシゴ。食べ歩き!飲み歩き!

湯島、御徒町、上野 「食べないと飲まナイト」

開催日時:2015.10.13(火)~14(水) 17:00-23:00(※参加店舗によって開催時間が異なります※店舗毎の詳細な時間は開催店舗ページにてご確認ください)

URL:  http://ueno.tabe-noma.com/

 

取材した店舗

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