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東京国立博物館 「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」報道内覧会レポート

東京国立博物館(以下トーハク)にて2018年7月24日(火)~9月9日(日)の期間、「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」が開催されます。報道内覧会に参加しましたのでその様子をお伝えします。
 
『びじゅチューン!』とは世界の「びじゅつ」を歌とアニメで紹介するNHK Eテレの番組です。
 
今回のなりきり日本美術館は『びじゅチューン!』で歌になったトーハク所蔵の美術作品をテーマにしたこの夏おすすめの美術館。複製や映像を使った5つの体験型展示では絵に登場する人物や、絵を描いた人になりきって作品の中で遊ぶことができます。
 
さっそく見てみましょう。
 

1.体感!ザパーンドプーン北斎

 
会場に入ってすぐに、波音とともに大きなスクリーンがお出迎え。

 
『びじゅチューン!』で「ザパーンドプーンLOVE」という歌のもとになった葛飾北斎の「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を映像化したものです。
 
音だけではなく、スクリーンの前に立つと風も感じられる演出がなされています。
 
 
スクリーンの前に設置された舟に乗るのはアーティストの井上涼さん。『びじゅチューン!』で作詞・作曲・アニメ・歌などすべてを手がけています。

 
 
別の方がスクリーン右手のマイクに向かって叫んでみると…
 
 
スクリーン上の波が激しく動きます。

 
 
絵の中の船に乗っている人々も、身を低くして必死に波から身を守ろうとしている様子が見て取れます。

 
 
大迫力の映像と音響、風でビックウェーブを体感!絵の中に入り込んでしまったよう。

 
 
見事に「大波」認定されました!声量によっては「小波」「中波」になります。声のボリュームを調節して全レベルの波を体感してみるのも楽しみのひとつ。

 

2.雨は愛すがどう描く?



 
『びじゅチューン!』の「雨は愛すが人逃げる」という歌は、歌川広重による版画「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」をモチーフに作られました。
 
この版画は隅田川にかかる橋を行く人々が夕立に降られる様子を描いたもの。ざあざあぶりの雨を表すために、3つの版が摺り重ねられているのだそう。
 
本展示ではスタンプを使って手軽に浮世絵作成を体験できます。もしもあなたが絵師だったら、どんな雨を降らせてみますか?
 
 
まず手に取るのはこちらの用紙。歌川広重の作品から雨を消したものです。

 
 
用意されている3つのスタンプで薄墨・濃墨を使い分けて雨雲や雨を重ねていきます。スタンプを押す際の力加減等によって出来上がりが少しずつ異なるので、ぜひみなさんでチャレンジして比べてみてください。

 
 
実際に浮世絵版画を作成する際のプロセスも分かりやすく解説されています。遊びながら楽しく「びじゅつ」について学ぶことができます。

 

3.見返らなくてもほぼ美人

 
「見返りすぎてほぼドリル」は菱川師宣の「見返り美人図」から生まれた歌。美人図には背景が描かれていないので、見る側によってこの美人はどんな環境にいるのか、どうして振り向いているのかなど好きに想像することができます。
 
 
展示では見返り美人を描いたスクリーンの周りに江戸の街中を表したパネルが設置されています。正面を向く美人。

 
 
スクリーンの前に立って体を動かすと、それにあわせて美人も動きます。

 
いろいろなポーズを決めて美人になりきってみましょう。
 

4.洛中洛外グルメチェック

 
『びじゅチューン!』の歌「洛中洛外図シスターズ」のもとになったのは岩佐又兵衛による国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」。今から400年前の京都の街を南から眺めた風景が描かれています。清水寺、八坂神社、祇園祭など京都の名所や行事も見て取れます。

 
左右で1セットの屏風には約2500人もの人が描かれていますが、じっくり見てみるとひとりひとりしっかりと描き分けられているのに驚かされます。食事をしている人もちらほら見受けられます。
 
この展示ではその「食」に注目して、屏風のなかに描かれているおいしいものを見つけてみよう!と呼びかけています。探しているうちに、ぐんぐん屏風の世界に引き込まれてしまいます。
 

5.顔パフォーマー麗子

 
こちらは『びじゅチューン』!で「夢パフューマー麗子」という歌のもとになった作品です。今から100年前の画家・岸田劉生が娘の麗子を描いたものです。

重要文化財 麗子微笑 岸田劉生筆 大正10年(1921) 東京国立博物館蔵 展示期間:7月24日~9月9日


 
この麗子は「微笑」というタイトルを与えられているにも関わらず、なんとも言えない表情を浮かべていますね。いったいこの時麗子は何を思っていたのでしょうか?
 
 
本展示はデジタル顔はめで麗子になりきり、麗子の気持ちを想像しようという試みのもと作られました。モニターの前に立って自分の顔を麗子の絵にはめ込みます。

 
 
どんな気持ちか吹き出しに書き込みます。左の壁に麗子になりきった自分の姿を映し出すこともできます。絵画のようですね。

 
 


体験型展示の他にも「びじゅチューン!の歌とトーハク所属の美術作品」の紹介や、井上涼氏による「びじゅつと仲良くなる方法」のパネルでびじゅつを楽しむヒントをたくさん得ることができます。

 
 
びじゅチューン!の歌のもとになった本物の作品も一部展示されています。なりきり体験したあとに鑑賞すると、作品の世界にぐっと近づいた気がします。

 
夏休み、親子で訪れるのにぴったりのなりきり日本美術館。『びじゅチューン!』を観たことのある人もない人も楽しめます。小さなお子さんもびじゅつを身近に感じることのできる絶好のチャンスです。ぜひ足を運んでみてください。
 
※NHK Eテレ『びじゅチューン!』は毎週水曜午後7時50分放送です。
 

展覧会概要

 

展覧会名 親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館

会 期 2018年7月24日(火)~ 2018年9月9日(日)

会場 東京国立博物館(台東区上野公園13-9) 本館特別4室・特別5室

TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)

開館時間 9:30~17:00(金曜・土曜は~21:00、日曜は~18:00)※入館は閉館の30分前まで

休館日 月曜日※8月13日(月)は開館

観覧料 一般620円(520円)/ 大学生410円(310円)
総合文化展観覧料で観覧できます。
※()内は20名以上の団体。
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上はの方は無料。入館の際に年齢のわかるものを要提示。
※子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した方(子ども1名につき同伴者2名まで)は、団体料金。
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを要提示。
※平成館にて同時期に開催の特別展「縄文」(7月3日(火)~9月2日(日))は別料金。ただし中学生以下は無料。

東京国立博物館公式HP https://www.tnm.jp/

びじゅチューン!公式HP http://www.nhk.or.jp/bijutune/

 

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