NHK「人形劇 三国志」より曹操 飯田市川本喜八郎人形美術館蔵 ©有限会社川本プロダクション
東京国立博物館 平成館では、2019年7月9日(火)~9月16日(月・祝)の期間、日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」が開催されます。
本展の報道発表会が開催されましたので、今回はその様子をお届けします。
開催趣旨
漢王朝の衰退とともに各地に勃興した有力諸将たち、とりわけ魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権が激しく干戈を交えた時代を描いた 「三国志」。魏・蜀・呉の動向は正史『三国志』や小説『三国志演義』に著されて長く人々の親しむところとなり、日本においても絶大な人気を誇っています。
関羽、張飛、趙雲・・・まさに「英雄」「英傑」という言葉がふさわしい、武将たちのスケールの大きな生き様に触れ、胸を熱くした人も多いでしょう。
そして21世紀に入り、曹操の墓ー曹操高陵(そうそうこうりょう)の発掘など重要な考古学成果が相次いだことで、三国志研究は新たな局面を迎えることとなりました。本展では、選りすぐりの文物と最新の研究成果をまじえて「三国志」の実像にせまり、これまでの三国志を超える、考古学ならではの新たな三国志像の構築を目指します。
展覧会のみどころ
1.必見!
三国志研究史上、最大の発見で、海外初出品となる河南省の曹操高陵出土品や、呉の皇族クラスの墓と目される江蘇省の上坊1号墓など、最新の発見が目白押し!三国志の実像に迫ります。
2.潜入!
2009年、河南省安陽市で曹操を葬った墓-曹操高陵発見。その知らせは国内外の学者たちの注目を集め、現在も調査研究が続いています。本展では、この曹操高陵の実像にせまります。
3.競演!
小説やマンガ、ゲーム、人形劇など幅広いジャンルで世代を超えて親しまれている三国志。本展ではさまざまな三国志との夢のコラボレーションを実施。その詳細は公式サイトで順次公開されるようです。
展示作品
本展における展示作品の中から一部をご紹介します。
《趙雲(ちょううん)像》木 清時代・17〜18世紀 安徽省毫州市花劇楼 毫州市博物館蔵
趙雲子龍、推して参る!
曹操の襲撃を受け、逃げ遅れた劉備の子・劉禅を懐に抱いて疾駆する。『三国志演義』屈指の名場面で、趙雲最大の見せ場を木彫りで表現。
《儀仗俑(ぎじょうよう)》青銅 後漢時代・2〜3世紀 1969年、甘粛省武威市雷台墓出土 甘粛省博物館蔵
埋葬者はあの董卓ゆかりの人物か?
騎兵や車馬などからなる儀仗行列。墓主は、後漢末期に漢王朝を揺るがした董卓(とうたく)配下の有力武将であった可能性がある。
《貨客船(かきゃくせん)》土器 後漢〜三国時代(呉)・3世紀 2010年、広西壮族自治区貴港市梁君垌(どう)14号墓出土 広西文物保護与考古研究所蔵
呉の孫権を支えた海洋ネットワーク
漢から三国時代にかけて、呉の沿岸部の墓では船型模型が集中的に出土する。対外交易がさかんだった海洋国家・呉ならではの文物。
《金製獣文帯金具(きんせいじゅうもんおびかなぐ)》金、貴石象嵌 後漢時代・2世紀 2009年、安徽省寿県寿春鎮古墓出土 寿県博物館蔵
魏の文帝・曹丕もあこがれた・・・三国志の権力者たちのリアルな装いとは?
体躯をくねらせた瑞獣を立体的にあしらい、随所に貴石を象嵌し、金粒細工を施す。魏の文帝もこうした豪奢な金具をつけた帯を欲したが、すでに作り手が絶えていたという。
開催概要
展覧会名 | 日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」 |
会 期 | 2019年7月9日(火)~9月16日(月・祝) 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで) (ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館) |
休館日 | 月曜、7月16日(火) ※ただし7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)は開館 |
会場 | 東京国立博物館 平成館(上野公園) |
観覧料 | 一般1600円(1400円/1300円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円) ※中学生以下無料 ※( )内は前売り/20名以上の団体料金 ※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを要提示。 |
公式サイト | https://sangokushi2019.exhibit.jp/ |