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【国立西洋美術館】国立西洋美術館開館60周年記念「松方コレクション展」報道発表会レポート

東京国立博物館 平成館では、2019年6月11日(火)~9月23日(月・祝)の期間、国立西洋美術館開館60周年記念「松方コレクション展」が開催されます。
本展の報道発表会が開催されましたので、今回はその様子をお届けします。

 

開催趣旨

 

松方幸次郎 写真提供:川崎重工業株式会社

日本の芸術家、人々のために美術館を作りたい-

そんな一人の実業家の思いから生まれた「松方コレクション」。

神戸の川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)を率いた松方幸次郎は、第一次世界大戦による船舶需要を背景に事業を拡大しつつ、1916-1927年頃のロンドンやパリで大量の美術品を買い求めます。当時の収集品はモネやゴーガン、ゴッホから中世の板絵やタペストリーまで多様な時代・ジャンルからなり、その規模は1万点にもおよびました。

 

しかしその後松方コレクションはロンドンの倉庫火災で消失したもの、フランス政府に接収されたものなど、さまざまに流転の運命をたどります。この松方コレクションにとって「安住の地」となったのが、1959年にわが国に誕生した国立西洋美術館でした。

国立西洋美術館



開館60周年を記念した本展では、名高いゴッホの《アルルの寝室》など国内外に散逸した名品も含めた作品約160点や歴史資料とともに、松方コレクションの流浪の軌跡をたどります。

 

みどころ

 

1.

世界に散逸した名作の数々、夢の再会

世界各地に散逸した松方旧蔵の名作が集結。夢のコレクションの壮大なスケールを感じることができます。

 

2.

時代を生き抜いたコレクション、激動のドラマがよみがえる

世界に名を馳せた松方コレクションは、時代の荒波の中で、散逸、消失、接収と苦難の歴史を歩みます。ロンドン、パリでの松方の収集の足跡をたどりつつ、最新の研究成果とともに、その数奇な運命を明らかにします。

 

3.

モネ “ 幻の睡蓮 ” 修復後、初公開

クロード・モネ《睡蓮、柳の反映》 1916年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館(旧松方コレクション)

2016年にパリ・ルーブル美術館で発見され、国立西洋美術館に寄贈されたことで大きな話題となったモネ《睡蓮、柳の反映》が現存部分の修復を経て、初めて公開されます。

 

記者発表会では、《睡蓮、柳の反映》の推定復元の様子も紹介されました。

写真左はロダン美術館の礼拝堂に保管されていた《睡蓮、柳の反映》の全体像を撮影したガラス乾板。これらを手がかりに、デジタル技術による調査や科学分析、AI技術を援用することで、これまでにない復元作業がおこなわれました。

 

展示作品紹介

本展における展示作品の中から一部をご紹介します。

 

オーギュスト・ロダン《考える人》

1881-82年 ブロンズ 国立西洋美術館(松方コレクション)撮影:上野則宏

ロダン芸術の集大成

ロダン芸術の中で最もよく知られる作品。『神曲』のダンテが扉の前で詩想にふける姿を表現しています。ミケランジェロの力強い肉体表現を受け継ぐこの人物像を、ロダンは「もはや夢想家ではなく、創始者である」とも述べています。

 

 

フィンセント・ファン・ゴッホ《アルルの寝室》

1889年 油彩・カンヴァス オルセー美術館


ゴッホの「色彩」の本質にせまる

ゴッホのアルル時代に書かれた3枚の『寝室』の最後のヴァージョン。ゴーガンとの生活が破綻し、精神病院への入院を経て療養中のゴッホが母親に描いたもので、画面には明るい静けさが満ちています。

 

 

ポール・ゴーガン《扇のある静物》

1889年頃 油彩・カンヴァス オルセー美術館

ゴーガンの、異国への眼差し

背景には日本の扇子を思わせる扇面図、そして前景にはみずみずしい官能性を感じさせる果物が置かれています。直線的で堅固な構図はセザンヌの影響、しかし画面全体の基調をなす朱色、装飾性にはゴーガンらしさがよくあらわれています。

 

 

開催概要

展覧会名 国立西洋美術館開館60周年記念「松方コレクション展」
会 期 2019年6月11日(火)〜9月23日(月・祝)
9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日 毎週月曜日、および7月16日(火)は休館。
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館。
会場 国立西洋美術館(上野公園)
観覧料 一般1600円(1400円)、大学生1200円(1000円)、高校生800円(600円)
※中学生以下無料
※( )内は前売り・20名以上の団体料金
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを要提示。
公式サイト https://artexhibition.jp/matsukata2019/

 

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