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【東京都美術館】ボッティチェリ展 内覧会体験レポート

1月16日より上野の東京都美術館にて、15世紀にイタリアのフィレンツェで活動したサンドロ・ボッティチェリ(1444/45~1510)の作品を集めた展覧会が開催されます。

本日1月15日にプレス向け内覧会が開催されましたので、「ボッティチェリ展」の様子をお伝えいたします。

ボッティチェリは、ルネサンスを代表する画家として知られており、現在100点ほどの絵画が現存しています。本展覧会では、世界各地から20点を超えるボッティチェリの作品を集めた日本で初めての本格的なボッティチェリ展です。本展覧会ですが、「ボッティチェリの時代のフィレンツェの作品の展示(約20作品)」 → 「ボッティチェリの師である「フィリッポ・リッピ」の作品の展示(約10作品)」 → 「ボッティチェリの作品の展示(約30点)」 → 「ボッティチェリの弟子からライバルとなったフィリピーノ・リッピの作品の展示(約15点)」という流れになっています。本レポートでは、まずは「ボッティチェリ展」に展示されているボッティチェリの著名な作品をいくつか紹介し、弟子からライバルとなったフィリピーノ・リッピの作品やボッティチェリの師であるフィリッポ・リッピの作品も紹介します。

【ボッティチェリの作品】

① 聖母像(書物の聖母) 1482~83年 サンドロ・ボッティチェリ

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ボッティチェリのもっとも著名な作品のひとつです。この作品には金箔やラピスラズリなどの高価な素材が使われており、実際に鑑賞すると、非常に緻密に描かれ、当時高価な作品であったことが感じ取れます。作品を近くで鑑賞すると、光輪、聖母の衣服、金糸の刺繍、キリストの左手に受難具である3つの小さな釘がある等細かな部分まで緻密に描かれており、作品横にある展示紹介を見ながら鑑賞すると、その構図が深く考え込まれた作品であることに気が付きます。長い時間鑑賞してしまう感慨深い作品です。

② アペレスの誹謗 1949年~96年 サンドロ・ボッティチェリ

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当初は展示される予定ではなく、後ほど展示が決まったたため、Webサイトには紹介されていない作品です。古代ギリシャでもっとも著名な画家であったアペレスが描いたとされる現存しない作品についてその復元を試みた作品になります。下の説明図のように、誹謗中傷にあった人物の悲惨さを寓意的に描いた作品とのことで、その構図について、現代にも当てはまるところがあり、考えさせられます。作品自体も緻密に描かれていますが、その構図の面白さにも惹かれる作品です。

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③ 美しきシモネッタの肖像 1480年~1485年 サンドロ・ボッティチェリ

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ボッティチェリの作品の中で唯一日本に所蔵されている作品です。深みのある藍色の古代風マントの描写と繊細なレースの付いた衣装が緻密に描かれており、近くでご覧いただきたい作品です。

④ 書斎の聖アウグスティヌス 1480年頃 サンドロ・ボッティチェリ

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作品中の人物のまなざしが非常に印象的な作品です。後方に描かれた時計や書籍などが緻密に描かれ、作品に臨場感を与えています。こちらも見入ってしまう作品です。

 

【フィリッポ・リッピ(ボッティチェリの師匠)の作品】

⑤ 聖母像 1436年頃 フィリッポ・リッピ

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ボッティチェリの師であるフィリッポ・リッピの作品です。構図や絵の雰囲気がボッティチェリの作品と似ているように感じます。フィリッポ・リッピの作品を鑑賞しているとボッティチェリの作品の原点を感じることができます。

【フィリッピーノ・リッピ(ボッティチェリの弟子)の作品】

⑥ 幼児キリストを礼拝する聖母 1478年 フィリッピーノ・リッピ

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ボッティチェリの弟子からライバルとなったフィリピーノ・リッピの作品も紹介されています。上の作品は、その雰囲気はボッティチェリのものに似ていますが、背景に川や樹木などの風景が描かれており、フィリピーノ・リッピの作品を鑑賞していくとボッティチェリのものと異なる表現があることがわかります。

 

本レポートでは、「ボッティチェリ展」の一部の作品をご紹介いたしましたが、他にも多くの素晴らしい作品が展示されています。洗練され、緻密に描かれたボッティチェリの作品をぜひ展示会場でご覧になり、ボッティチェリ優美な絵画の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

 

展示会の開催概要はこちら : https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/3641

 


 

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