上野の東京国立博物館 東洋館3室では、2019年11月6日(水)から2020年2月9日(日)まで、特別展「人、神、自然-ザ・アール・サー二・コレクションの名品が語る古代世界-」を開催します。
2013年にリニューアルした東京国立博物館の東洋館は、旅をコンセプトに、アジア各地の美術品や文化財を展示。
館内を一回りすると、アジア各地を巡る時空を超えた「旅」をしているような気分になれます。
本展覧会は、ザ・アール・サーニ・コレクションの誇る名品の中から選りすぐりの117点を紹介するもので、地中海地域~アジア、アフリカ、中南米といった地域の古代社会に由来する作品を一度に鑑賞できる、貴重な機会となります。
ぜひ、時間的、空間的な広がりを増した東洋館を旅してみてください。
■展覧会の構成と主な展示物
◇ 第1章 人
1章では主に、各地の古代社会を統治していた王や有力者にまつわる工芸品をとりあげます。
理想的な姿で表現された王像、煌(きら)びやかな装身具、葬送のために特別に作られた品々など、いずれも、貴重な素材を高い技術で加工したもの。
展示作品を比べてみると、それぞれの文化によって、嗜好やデザインが異なっていることが分かります。
一方、古代の階層社会において支配者層は自らの権威を積極的に示す必要があったこと、古代のあらゆる社会が特有の死生観のもと、死者や来世との関わりをもっていたことなど、各地の古代文化に共通するふるまいも見えてきます。
★理想化されたファラオの姿
★冥界の太陽を表すギザギザ眉毛
★高貴な女性の立ち姿
◇ 第2章 神
人々は、神々を喜ばせるために儀式を執り行い、祈りを捧げてきました。
2章では、各地の古代文化が生み出した神像や精霊像、聖なる儀式に関連する作品を紹介します。
古代の人々にとって、安定した社会を営むことは簡単ではありませんでした。
ちょっとした天候不順が深刻な飢饉をもたらし、対立する都市や異民族との戦争が頻発する―このような世界で暮らした人々にとって、自然界や人間社会を超越した存在である神々の恩寵を得ることは極めて重要だったはずです。
このことが、2章の展示作品が製作された背景です。
古代世界には多様な宗教と信仰が存在しましたが、どの社会の人々も、神々との関係を問いながら、自分たちの生存と社会の安定に力を尽くしていたのです。
★巨石からこんにちは
★星を見つめる女神?
★宗教儀礼にのぞむミュージシャン
◇ 第3章 自然
人々は自然界をどのように認識してきたのでしょうか?
3章ではこのテーマに着目し、主に動物の形を模した工芸品を展示します。
どの古代社会の人々も、動物を模した器や装身具を用いることで、自然界や神々の力にあやかっていました。
例えば、ヤギなどの大きな角をもつ野生動物は、自然界の力強さを象徴したとされます。
神々と関連づけられた聖動物の小像は、神聖な力が宿っていると信じられました。
展示作品を比べてみると、作品ごとに、動物の様々な佇まい、表情が切りとられています。
多様な作品は、各地に異なる自然環境が存在していたこと、人々の興味の対象が文化によって異なっていたことを物語っています。
★自然界の力強さを体現
★戦場で威嚇!
★一味違ったゆるい熊
【開催概要】
■展覧会名: 特別展 「人 、神 、 自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」
■会 期 : 2019年11月6日(水)~2020年2月9日(日)
■会 場:東京国立博物館 東洋館3室(東京・上野公園)
■開館時間: 9:30~17:00 金曜・土曜は21:00まで *入館は閉館30分前まで
■休 館 日: 月曜日、12月26日(木)~2020年1月1日(水・祝)、1月14日(火)
*ただし1月13日(月・祝)は開館
■観 覧 料 : 一般620円(520円)、大学生410円(310円)
*高校生以下および満18歳未満と満70歳以上の方は無料。
入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
*( )内は20名以上の団体料金です。
*総合文化展観覧料及び開催中の特別展観覧券(観覧当日に限る)でご覧いただけます。
*特別展「正倉院の世界」(10/14~11/24)、特別展「出雲と大和」(2020/1/15~3/8)は別途観覧料が必要です。
■主 催 :東京国立博物館、ザ・アール・サーニ・コレクション財団、NHK
■お 問合 せ :03-5777-8600(ハローダイヤル)
■ ウェブサイト :https://www.tnm.jp/