Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

【上野の森美術館】「ゴッホ展」内覧会レポート

(手前)フィンセント・ファン・ゴッホ 《夕暮れの松の木》 1889年12月 クレラー=ミュラー美術館

2019年10月11日(金)から2020年1月13日(月・祝)にかけて上野の森美術館で「ゴッホ展」が開催されています。開催に先立って行われたメディア向け内覧会に参加してきましたので、今回はその様子をお伝えします!

 

「ゴッホ」を誕生させた、ふたつの出会い

会場風景

 

(手前)ヨゼフ・イスラエルス 《縫い物をする若い女》 1880年頃 ハーグ美術館

 

作品とともにゴッホの遺した言葉を紹介

 



フィンセント・ファン・ゴッホ 《サン=レミ療養院の庭》 1889年5月 クレラー=ミュラー美術館

強烈な作風を確立し、激しく濃密に生きた画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90)
37年という短い人生のうち、画家として生きたのはわずか10年間。なぜゴッホはその短い画業にも拘わらず、唯一無二の表現を獲得できたのか?
本展覧会ではその背景となったふたつの出会い、「ハーグ派」「印象派」とゴッホの関わりに焦点を当て、ゴッホの類まれな創造の秘密に迫る試みです。

本展では、ゴッホ作品に加え、マウフェやモネ、ルノワールなど、ハーグ派と印象派を代表する巨匠たちの作品を展示。ゴッホが独自の画風にたどり着くまでの過程をわかりやすく紹介しています。

 

「ハーグ派」の自然主義的な眼差し

 

(手前)アルベルト・ヌーハイス 《ドレンテの家の中》 1894年 ハーグ美術館

 

フィンセント・ファン・ゴッホ 《器と洋梨のある静物》 1885年 ユトレヒト美術館

展覧会の前半部では、駆け出しのゴッホを導いた「ハーグ派」に焦点を当てて作品を紹介。
ハーグ派については耳慣れない人も多いかもしれませんが、オランダ南西部の海浜の町ハーグに集まった画家たちのことで、その自然主義的な風景・風俗画はヨーロッパ近代絵画の先駆けとされています。

ミレーを敬愛していたゴッホは自然を舞台に平穏な日常を描写したハーグ派に共感し、その中心的な人物であるマウフェに教えを請い、交流しました。ゴッホの「農民画家」としての第一歩は、ここから始まったと言ってもよいでしょう。

 

「印象派」との出会い〜自由を求めて〜

クロード・モネ 《ロクブリュヌから見たモンテカルロ、エスキス》 1884年 モナコ王宮コレクション

展示会場では、ゴッホが遺した味わい深い言葉の数々が紹介されていますが、その中に
「あぁ、クロード・モネが風景を描くように人物を描かなければ」という一節があります。それほどゴッホはモネの絵画を深く敬慕し、印象派の躍動する色彩に魅せられていました。
それまでは暗い色彩で農民の日常や内面を描いていたゴッホでしたが、パリで印象派と出会うことで、明るい色彩や多様な筆致を身につけ、個性的なスタイルを切り開いていくことになるのです。

展覧会の後半では印象派の巨匠たちの作品をゴッホの絵画と比較して紹介し、その画業の軌跡をたどります。

 

約40点のゴッホ作品が集結!

(手前)フィンセント・ファン・ゴッホ 《農婦の頭部》 1885年 スコットランド・ナショナル・ギャラリー

 

フィンセント・ファン・ゴッホ <薔薇> 1890年5月 ワシントン・ナショナル・ギャラリー

 

フィンセント・ファン・ゴッホ 《糸杉》 1889年6月 メトロポリタン美術館

本展で展示されるゴッホ作品は約40点。傑作《糸杉》《薔薇》をはじめ、初期から晩年まで、世界10ヶ国27ヶ所からゴッホの重要作が結集しています。

最後の展示室には、本展覧会の白眉とも言える《糸杉》を展示。ゴッホは「エジプトのオベリスクのように美しい」糸杉の美しい線と均衡、そして緑色の素晴らしさに魅せられ、サン=レミ療養院に入院してから数点の作品を描きました。ゴッホが疲れた精神の中に垣間見た、理想の「美」。圧倒的質感でせまる本作を、ぜひ会場で堪能してください。


フィンセント・ファン・ゴッホ <パイプと麦藁帽子の自画像> 1887年9-10月 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

《糸杉》に象徴されるような、強烈な色彩とうねるような筆致。その作風から「炎の画家」と呼ばれることもあるゴッホは、まさに自分自身を燃やし尽くすかのように、絵画に身を捧げました。

本展覧会はその「情熱」を伝えるとともに、彼のたどってきた画業の全体像を提示します。ハーグ派と印象派。それぞれの作品を通じて、より深くゴッホの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

ユニークな物販コーナーにも注目!こちらは人気イラストレーター・塩川いづみ氏によるオリジナルグッズ

 

ゴッホに扮したスヌーピーを使用したゴッホ展限定グッズも登場

 

開催概要

展覧会名
「ゴッホ展
会 期 2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月・祝)
9:30〜17:00(金曜、土曜は20:00まで開館)
*最終入場はそれぞれ閉館30分前まで
休館日 12月31日(火)、1月1日(水・祝)
会場 上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
公式サイト go-go-gogh.jp

 

Top