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「想起(そうき)の力で未来を:メタル・サイレンス2019 プレスプレビュ― レポート

上野文化の杜新構想実行委員会と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京は、文化芸術事業「UENOYES」を展開しています。この事業は、上野公園とその周辺地域を舞台に社会的に弱い立場の人々を摩擦、排除、孤独、孤立から救い、社会の一員として支え合う、社会包括をテーマにし、世界に情報発信していく取り組み。
この取り組みの一つとして、東京上野の旧博物館動物園駅にて、「想起の力で未来を:メタル・サイレンス2019」と題し、2019年10月18日(金)~11月17日(日)までの金・土・日・祝に海外アーティストを招聘(しょうへい)した作品展を開催しています。
先日、この作品展のプレスプレビュ―が開催されましたので、その様子をお伝えします。


 

想起の力で未来を:メタル・サイレンス2019」招聘アーティスト

 

今回、メタル・サイレンス2019で招聘する海外アーティストは、クリスティーナ・ルカスとフェルナンド・サンチェス・カスティーリョの2人です。

 

●クリスティーナ・ルカス 作品名≪Unending Lightning(終わりえぬ閃光)≫

世界で初めて空爆が行われたといわれている1911年から現在2019年に至るまでの世界中の民間人の犠牲を3面スクリーンで辿る、6時間にわたる長編。この作品は、各地の多数の専門家の協力を得て、100名以上の女性の手でビッグ・データにより収集し、5年をかけて調査制作したもの。
ルカスさんは、この作品を通じて、「空爆によって命を落とされた被害者の方へ思いを寄せること、共感することで、二度と戦争を繰り返さない気持ちを持つことが大事だというメッセージを込めた」とのことです。

 



 

クリスティーナ・ルカス 

1973年スペイン、ハエン生まれ。
映像、写真、インスタレーション、ドローイング、パフォーマンスなどの幅広いメディアでの表現を通じて、一般化された通説へ異なる解釈をもたらす可能性を模索し、現在の社会状況へのより良い理解への問題提供をしています。


 

●フェルナンド・サンチェス・カスティーリョ ≪Tutor(テューター)終わりえぬ閃光)≫

多種多様な樹木の宝庫である上野の森の豊かな自然から発想した、ブロンズ製の木の枝をジグザクに造形した新作彫刻です。
一見、なんともない竹に生きている木が絡まっているだけのシンプルなものですが、シンプルな中にも力強い、生命力を感じさせる作品です。その解釈は、人それぞれ。
カスティーリョさんは、この作品を通じて、「樹木も人間も多様な生き方があること、健康であることとは?普通であることとは?を問いかけ、寛容な社会について考える作品にした」とのことです。

 

 

■フェルナンド・サンチェス・カスティーリョ

1970年、スペイン、マドリード生まれ。
フランコ政権下で幼少時を過ごした経験から、歴史や社会の出来事に強い関心を持ち、権力に関わる要因を分析して多角的に批評し、
彫刻、絵画、映像など様々な方法で表現します。

 


 

まとめ

「想起の力で未来を:メタル・サイレンス2019」のプレスプレビュ―についてお伝えしました。
上野公園近くに、ぽつりと存在する歴史ある駅舎、旧博物館動物園駅。
その内部で鑑賞するスペイン出身の作家の映像作品や彫刻作品は、独特の色を放っていました。
これらの作品を通して、私たちは弱い立場に立たされてしまった人達や、自分自身の生き方を根本的に見直すきっかけとなるはずです。

個人的には、映像作品の中の空爆シーンを見ている時、近くを走る電車の音が響くと臨場感たっぷりで、空爆の恐ろしさを身を持って体験しているような気分になりました。
文化芸術事業「UENOYES」の一環として開かれる海外アーティスト招聘プロジェクト「想起の力で未来を:メタル・サイレンス2019」。
現在、開催中です。参加費無料ですので、上野公園にお越しの際には、お立ち寄りになってみては、いかがでしょうか?

 

※プレスプレビュ―の最後には、フォトセッションが行われました。

(写真左)クリスティーナ・ルカスさん (写真中央)UENOYES 国際部門ディレクター 岡部あおみさん (写真右)フェルナンド・サンチェス・カスティーリョさん

 

開催概要

■会期: 2019年10月18日(金)〜11月17日(日)の金土日祝※全16日間
■時間: 10:00〜17:00

  • 整理券は開催日の朝9時よりお配りいたします。
    配布数に限りがございますので予めご了承ください。
■会場: 旧博物館動物園駅 駅舎(東京都台東区上野公園13-23)

  • 参加無料
  • 入場を制限させていただく場合があります。
  • 内容が変更となる可能性があります。
  • 京成電鉄施設のため、鉄道業務に関する緊急の事態には作品が鑑賞いただけない場合がございます。
  • 車椅子の方は旧博物館動物園駅入り口内の階段までご覧いただけます。
■主催:

上野文化の杜新構想実行委員会公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

※本事業は令和元年度文化庁国際文化芸術発信拠点形成事業です。

■公式サイト: https://uenoyes.ueno-bunka.jp/2019/events/metalsilence.php

 

■会場について

 

1933年12月京成電鉄株式会社の駅として開業。
当時、駅舎の建設予定地が御料地であったため、御前会議での昭和天皇の勅裁を受けての建設となり、こうした事情が考慮されてか、駅舎内外の意匠は西洋風の荘厳なつくりとなっています。
開業以後、東京帝室博物館(現・東京国立博物館)や恩賜上野動物園の最寄り駅として利用されてきましたが、利用者の減少により、1997年に営業休止、2004年に廃止となりました。
その後、2018年4月19日には、特に景観上重要な歴史的価値をもつ建造物として鉄道施設としては初めて「東京都選定歴史的建造物」に選定。2017年6月に京成電鉄株式会社と国立大学法人東京藝術大学との間で、連携協定が結ばれました。
駅舎内部を改修し一般公開(イベント時以外非公開)するにあたり、東京藝術大学の美術学部長でありUENOYES総合プロデューサーの日比野克彦がデザインした出入口扉を新設し、上野文化の杜の2018年度事業の一環としてアート作品の展示を行いました。

 

 

 

 

 

 

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