Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

【東京都美術館】『子どもへのまなざし』+松本力『記しを憶う』報道内覧会レポート

母と子の物語 A Mother and Child’s Story 2013

 

2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)まで、上野の東京都美術館にて、上野アーティストプロジェクト2019「子どもへのまなざし」と松本力「記しを憶う」が同時開催されています。
先日、これらの展覧会の合同報道内覧会がありましたので、その様子をレポート致します。
それぞれの展覧会のみどころ、構成、注目作品を取り上げていますので、ご覧頂ければ幸いです。

 


「子どもへのまなざし」とは?

 

東京都美術館は、数多くの公募団体の作品発表の場として親しまれ、「公募展のふるさと」と呼ばれています。
2017年からは、毎年テーマを決めて公募団体で活躍する現代作家を紹介する「上野アーティストプロジェクト」シリーズを展開。
第3弾となる今年は、「子どもへのまなざし」をテーマに開催します。
現在、美術公募団体に所属する若手からベテランまでの6名の作家の作品を通じ、描かれた子どもに仮託される多層的なイメージを紹介。

 

構成と注目作品

 

「子どもへのまなざし」は、大きく分けて3章から構成されています。

 

第1章 愛される存在

第1章では、愛される存在をテーマに、新生加奈(日本美術院)と大久保綾子(一陽会)の作品を紹介します。

 

・新生加奈 SHINJO Kana

女性をモチーフに、温かな色彩を用い、やわらかなタッチの繊細な人物像を描き出す新生加奈。
今回展示される作品は、世の中の汚れを知らない純真な少女像、心の奥底の大事な部分に触れるような温かな母子像です。
子どもたちや母子の存在を通じて、命の尊さ、美しさ、愛おしさを描きたいと語る新生は、作品を描くことにより、自分自身が子どもの頃に周りから受けた優しさを再認識するといいます。

 

(新生さんコメント)

宇宙のように広がる少女の内面を表現したいと思い、作品を描いています」。

 

母と子の物語 A Mother and Child’s Story 2013

 

 

・大久保綾子 OKUBO Ayako

一貫して母子像を描き続ける作家、大久保綾子。
今回展示される作品は、動き回る子供の躍動感、母子の一体感を感じさせる母子像です。
大らかでどっしりとした母親は、守るべき存在である赤ん坊やエネルギー溢れる子供たちを大地のようにやさしく包み込みます。

 

(大久保さんコメント)

「いのちを紡ぐ」というテーマで、ここ10年くらいは作品を作っています。
周りを飛び回る子供たちを通して、生命のエネルギーのようなものを表現できたらと思います」。



 

生命(いのち)-海の音 Life₋Sound of the Sea 2002

 

 

 

第2章 成長と葛藤

第2章では、成長と葛藤をテーマに、志田翼(独立美術協会)と豊澤めぐみ(新制作協会)の作品を紹介します。

 

・志田翼 SHIDA Tsubasa

高校で教鞭をとりながら、現代の中学生や高校生をモチーフに描き続ける志田翼。
今回展示される作品は、大人が創り出す社会に葛藤を抱きながら攻撃的な内面をのぞかせる純粋な子どもたちや社会に反発する自身の内面を描いた自画像です。
現代の青年期を迎える子どもたちが直面するリアルな状況をあぶり出します。

 

(志田さんコメント)

「子どもの様々な心理を自分なりに絵画で表現し、いろいろな人たちと繋がりたいと思っています」。

 

まと Target  2012

 

・豊澤めぐみ TOYOSAWA Megumi

作品の中に自分を投影した女子高生を描き続ける、豊澤めぐみ。
豊澤が描くのは、自身が思春期の頃に抱えていた、自分を否定したい気持ち、周囲からの影響で揺れ続ける感情です。
若者の心のとげとげしい痛みを表現し、見ている者に若い頃感じたであろう、過去の様々な感情を呼び起こします。

 

(豊澤さんコメント)

「自分の作品を型にはめてマンネリ化していた時期があったんですが、そのマンネリを打破するために一回リセットして、新たな気持ちで作品を描きました。様々な素材を用いたり、工夫をして作品を作っていますので、そちらもお楽しみください」。

 

 

君が嫌い I Hate You  2017

 

 

第3章 生命のつながり

第3章では、生命のつながりをテーマに、山本靖久(主体美術協会)と木原正徳(二紀会)の作品を紹介します。

 

・山本靖久 YAMAMOTO Yasuhisa

物質と情報にまみれ、自然を破壊しようとする現代の私たちですが、自然との共生なくして人間は生きられません。
そんな現代へのアンチテーゼとして作品を描き続ける、山本靖久。
今回展示される作品は、豊かな自然の中で穏やかな時を過ごす子どもたちや家族を中心とした人間の交響です。
作品に触れることで、人間が持つ生命の根源的な記憶に共感するはずです。

 

(山本さんコメント)

「私は、豊かさをテーマに一貫して作品を描いています。今回、子どもへのまなざしというテーマを頂きまして、そのテーマに沿った新作も作りましたので、ご覧ください」。

 

木精-菩提樹の木の下で Spirit of the Tree-Under the Linden Tree  2019

 

・木原正徳 KIHARA Masanori

移り変わる自然と、豊かな量感を持つ人間本来の性質が絡み合う世界を描き続ける木原正徳。
今回展示される作品は、自然と人間が境界を隔てることなく共存し、生命が循環する世界。
独特な色彩感覚とリズム感を用いて、艶やかで透明感のある画面を生み出し、見ている者に本当の豊かさを問いかけます。

 

(木原さんコメント)

「私は、子供を直接的に描いているわけではありませんが、色彩の豊かさを通して、命を託したいと思い作品を制作しています。『人のかたち野のかたち―地に還る』という作品は、2年前に亡くなった父の弔いの作品です。
父が亡くなり、息子夫婦に子どもが宿っていたのですが、作品を通して、生命が大地に還り、新たな生命が生まれるということを、象徴的にかなり意識して描いた作品となっています」。

 

人のかたち野のかたち―地に還る-  Form of the Human,Form of the Field-Return to the Earth- 2017

 

 

同時開催 松本力『記しを憶う』-東京都写真美術館コレクションを中心に

 

「子どもへのまなざし」との連動企画として、松本力 『記しを憶う』(しるしをおもう)も同時開催しています。

 

・松本力(まつもとちから)

 

松本力(1967~)は、絵かき・アニメーション作家として、国内外で活躍している作家です。
トレースしないで、1コマずつドローイングを描き、透過光を加えてビデオ撮影した映像作品を制作。
映像のインスタレーションとして、立体作品、音声によるライブパフォーマンス、手製の映像装置を用いた独自のワークショップを学校や美術館、滞在する各地域で開催しています。

今回の展示は、東京都写真美術館で所蔵する作品を新たなインスタレーションと共にご覧いただけるものです。

 

構成と展示作品

 

展示の構成と展示作品を紹介します。

 

■6面インスタレーションアニメーション作品

 

会場には、6面のインスタレーションアニメがスクリーンに映し出されます。
1つ1つ、独立した作品で6作品が上映。

6作品は、以下のタイトルです。

①オワリ山の一日

②エレクトリック・スノー

③フォローミ―/美と出会う/まなざし

④カームウォーム

⑤山をわたる歌声

⑥山へ

 

(作品について)

オワリ山の一日から山への物語を、繋がりを持ちながら展開しています。
会場の真ん中には、ピラミッド型の見晴らし台が。
この見晴らし台に登り、山越しにオワリ山の一日の映像を見て、視点が変わる、視界が変わるということを意識してもらうように作られています。

 

 

 

会場に設けられた見晴らし台

 

 

6面のインスタレーション作品の原画やトーテムポール型の複数の映像も流されています。

 

 

 

映像作品 SA YONA RAも上映されています。
この作品は、松本さんの亡くなられたお父様が、1ページだけ書き残したままの未完の絵本の続きを描いたものが元となった映像。
作品の中に描かれているキャラクターは、オバケとも何ともわからない得体のしれない存在がモチーフになっています。

 

 

 

SAYONARAの楽曲のヴァージョン違いの映像をヘッドホンで鑑賞できるように映画館型の装置も設置されています。
ご自由にご鑑賞ください。

 

 

 

まとめ

 

『子どもへのまなざし』+松本力『記しを憶う』報道内覧会レポートをお伝えしてきました。

『子どもへのまなざし』では、自分にも当てはまる子ども時代の記憶、思春期の辛くとも輝いていた日々、生命の根源的な問いかけ、などに触れることができました。
松本力『記しを憶う』では、子ども時代の懐かしい日々に、少し寂しいような、切ないような気持ちになる自分を確認できました。
この2つの展示会を通して、自分の過去の記憶と未来への希望を探しに来てみませんか?

東京都美術館でお待ちしております。

 

 

開催概要

 

上野アーティストプロジェクト2019『子どもへのまなざし』

■会期:2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)
■会場:東京都美術館 ギャラリーA・C
■開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
■夜間開室:
金曜日、11月30日(土)、
12月7日(土)は9:30~20:00
(入室は閉室の30分前まで)
■休室日:11月18日(月)、12月2日(月)、
16日(月)、26日(木)~2020年1月3日(金)
■観覧料:当日券:一般 500円 / 65歳以上 300円 団体券:一般 400円
※団体割引の対象は20名以上
※学生以下は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご持参ください
※同時期開催の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
のチケット(半券可)提示にて入場無料

■主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
■問い合わせ先:東京都美術館 交流係
TEL:03-3823-6921(代表)

■イベント情報: 東京都美術館HP『子どもへのまなざし』のページにてご確認ください。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_uenoartistproject.html

松本力『記しを憶う』-東京都写真美術館コレクションを中心に

■会期:2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)
■会場:東京都美術館 ギャラリーB
■開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
■夜間開室:金曜日、11月30日(土)、
12月7日(土)は9:30~20:00
(入室は閉室の30分前まで)
■休室日:11月18日(月)、12月2日(月)、
16日(月)、26日(木)~2020年1月3日(金)
■観覧料: 無料
■主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団、東京都美術館
■問い合わせ先: 東京都美術館 交流係 TEL:03-3823-6921(代表)
■イベント情報: 東京都美術館HP 松本力『記しを憶う』
のページにてご確認ください。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_collection.html

 

 

 

Top