昨日3月29日、10月7日(金)より上野の森美術館で開催される「デトロイト美術館展」の記者発表会が、ヒルトン東京にて行われましたので、その様子をレポートいたします。
デトロイト美術館は、アメリカ合衆国ミシガン州・デトロイトに位置し、古代エジプト美術から現代美術まで65000点以上の作品が貯蔵、年間60万人が訪れるアメリカを代表する美術館の一つです。1885年に開館して以来、自動車業界の有力者らの資金援助を通じて、世界屈指のコレクションを誇るまでに成長したデトロイト美術館は、アメリカでゴッホやマティスの作品を初めて購入した公共美術館でもあります。「デトロイト美術館展」では、数々の傑作の中から、選りすぐりの52点を紹介する展示会になります。
今回の記者発表会は、監修・千足信行教授による見どころ解説、作家・原田マハさんの新作小説の執筆発表、そして女優鈴木京香さんのナビゲーター就任発表の順で行われましたので、その様子をご紹介していきます。
進行役のフジテレビ 佐々木恭子アナウンサー
【監修・千足信行教授による見どころ解説】
・解説要旨
- 出品数は、全52作品で、日本発上陸の作品は15点。出品数はそれほど多くないが、質的には素晴らしいものがある。
- 本展は、第1章「印象派」、第2章「ポスト印象派」、第3章「20世紀のドイツ絵画」、第4章「20世紀のフランス絵画」の4章から成り立っており、それぞれ著名な画家の作品が展示される。
第1章「印象派」の主要作品
クロード・モネ ≪グラジオラス≫
ピエール・オーギュスト・ ルノワール ≪座る浴女≫
第2章「ポスト印象派」の主要作品
フィンセント・ファン・ゴッホ ≪自画像≫
ポール・セザンヌ≪サント=ヴィクトワール山≫
第3章「20世紀のドイツ絵画」
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー≪月下の冬景色≫
第4章「20世紀のフランス絵画」
アンリ・マティス≪窓≫
パブロ・ピカソ≪読書する女性≫
【作家・原田マハさんの新作小説の執筆発表】
原田マハさんが登場し、「デトロイト美術館」をテーマにした、新作の小説について、制作開始までの経緯と概要についてお話しいただきました。
・要旨
- 小説執筆のオファーを受けたとき、デトロイト美術館を知らなかったが、コレクションのリストを見て、その質に驚いた。
- 2013年のデトロイト市財政破綻に伴い、コレクションの売却が検討されたが、市民やアメリカ国民などの寄付により売却されずに博物館のコレクションは存続できた。その話に感動して、小説を書きたいと思った
- 「デトロイト美術館の奇跡」というタイトルがすぐに思い浮かんだ。こういう時は、面白い作品となる。
- 4話構成で、それぞれ3人の主役を立てる。
【女優鈴木京香さんのナビゲーター就任発表】
音声ガイドのナビゲータとして、女優の鈴木京香さんが登場し、音声ガイドのナビゲータとしての意気込みや「デトロイト美術館展」について、インタビュー形式でお話していただきました。
・要旨
- 美術館巡りが好きで、「デトロイト美術館展」を楽しみにしている。日本に居ながらにして傑作を見ることができる
- 見たい作品は、マティスの≪窓≫。見たことがないので。自画像も展示される予定なので、ゴッホの作品などを見てみたい
- 音声ガイドのナビゲータとして、観覧者が楽しみにしている時間を邪魔しないナビゲーションをしたい。興味の対象に向かう時間を助けるようなナビゲーションでありたい
このように鈴木京香さんや原田マハさんといった豪華なゲストのお話や、監修・千足信行教授の展示解説など、司会進行の佐々木恭子アナウンサーとともに、1時間余りにわたり密度が高い記者発表となりました。監修・千足信行教授が説明されていた通り、非常に質の高い作品が集まる展覧会になりそうです。「デトロイト美術館展」は、豊田市、大阪市を巡った後、上野の森美術館にて10月7日から公開となります。その際は、モネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、マティス、ピカソなどの著名な画家の作品が集まる「デトロイト美術館展」に是非足をお運びください。