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【東京都美術館】生誕300年記念 若冲展 内覧会体験レポート

4月22日より上野の東京都美術館にて、18世紀の京都で活躍した伊藤若冲(1716~1800)の作品を集めた展示会が開催されます。

本日4月21日にプレス向け内覧会が開催されましたので、「生誕300年記念 若冲展」の様子をお伝えいたします。

 

やはり若冲は凄い!どの作品を見ても「凄い」という言葉が出てしまいます。

今回は初期から晩年までの数ある作品の中から特に選りすぐられた代表作約80点が展示されています。鳥の羽一本、花びらや葉っぱ一枚等どの部分も細部に渡り細密に描かれ、色使いも力強さと繊細さを感じ作品の迫力に圧倒されます。特に『《釈迦三尊像》と《動植綵絵》』は「釈迦三尊像」の両側に15点ずつ「動植綵絵」が展示されており圧巻です。また、「動植綵絵」は植物で季節を感じる楽しみもあります。

 

<若冲とは>



若冲は京都の青物問屋の長男として生まれ、生活は極めて裕福でした。23歳の時に家業を継ぎますが、40歳の時に次弟に家督を譲り画業に専念します。仏の教えを尊び、その一方で描くことを愉しんで、晩年まで作品を描き続けました。身近に存在する画題をじっくり観察し、精緻でユーモラスな生命力あふれた表現はいつの時代も多くの人を惹きつけてやみません。

 

それでは印象に残った作品を紹介していきます。

 

7.群鶏図_R

伊藤若冲 《動植綵絵 群鶏図》 絹本着色 一幅 宮内庁三の丸尚蔵館

 

8.南天雄鶏図_R

伊藤若冲 《動植綵絵 南天雄鶏図》 絹本着色 一幅 宮内庁三の丸尚蔵館

やはり若冲と言えば「鶏」、庭に鶏を数十羽飼ってその形状を観察し、写生すること数年に及んだそうです。さすが鶏の動きや羽は躍動感に溢れています。鶏だけでなく一緒に描かれている植物も見逃すことはできません。また、水墨画の鶏も是非ご覧ください。

 

仙人掌群鶏図

伊藤若冲 重要文化財 《 仙人掌群鶏図襖絵》 紙本金地着色 襖六面 寛政 2 年(1790 年) 大阪・西福寺

襖にサボテンと動きの異なる鶏が描かれています。鶏の中には雌鶏の可愛いお尻があったり、ひよこがいたりと微笑ましくなります。描かれている鶏にそれぞれのストーリーを想像するのも楽しそうですね。

 

6.老松白鳳図_R

伊藤若冲 《動植綵絵 老松白鳳図》 絹本着色 一幅 宮内庁三の丸尚蔵館

純白の美しい鳳凰に見入ってしまいます。また、尾羽の先に赤と緑のハート模様も印象強いです。これを想像だけで描いてしまう若冲は凄いですね。

 

5.牡丹小禽図_R伊藤若冲 《動植綵絵 牡丹小禽図》 絹本着色 一幅 宮内庁三の丸尚蔵館

牡丹の花、葉っぱなど本当に見事です。二羽の小禽と一匹の羽虫が居ますので、ぜひ会場で見つけてみてください。

 

鳥獣花木図伊藤若冲 《鳥獣花木図屏風》 紙本着色 六曲一双 米国・エツコ&ジョー・プライスコレクション

何種類もの動物が描かれており、どんな動物がいるか探すのが楽しくなりそうな屏風です。画面全体を数万もの枡の形に区切って枡目ごとに彩色する「枡目画」という特異な表現方法で描かれています。色々な角度から見て色彩も楽しんでください。

 

写真はありませんが、他にも「動植綵絵 梅花皓月図」をはじめ梅と月の作品3点は、すべて違う技法と絵具の配色で描かれているそうです。(目で見ても分からないそうですが)ここにも若冲の凄さを感じます。

また、「虎図」は可愛い目、肉球を舐める仕草は愛くるしさを感じます。虎の毛一本一本が細かく描かれ、近くで見ても離れて見ても毛並みを感じられます。虎の水墨画も展示されていますので、是非ご覧ください。

 

本レポートでは、「生誕300年記念 若冲展」の一部をご紹介いたしましたが、他にも多くの素晴らしい作品が展示されています。近くで見ても離れて見ても楽しめる作品です。写真だけでは伝わらない躍動感と美しさ、細密さをぜひ展示会場でご覧になり、若冲の世界を感じてみてはいかがでしょうか。

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