本日6月1日、10月8日(土)より東京都美術館で開催される「ゴッホとゴーギャン展」の記者発表会が、同美術館で行われましたので、その様子をレポートいたします。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)とポール・ゴーギャン(1848-1903)。19世紀末に活躍し、今なお世界中の人々に愛されてやまないこの二人の画家の関係に焦点を当てた、日本初となる展覧会です。
ゴッホとゴーギャンの油彩画約50点と、二人の画家に影響を与えたミレー、モネ、ピサロなどの油彩画約10点を含む、約60点を展示し、これまで語られてきた以上に、ゴッホとゴーギャン二人の画家の関係性や芸術性に光を当てます。
今回の記者発表会は、東京都美術館・真室佳武館長による挨拶、監修者シラール・ファン・ヒューフテン氏による展覧会趣旨説明の順で行われましたので、その様子をご紹介していきます。
【東京都美術館 真室佳武館長による挨拶】
ゴッホとゴーギャンは1887年に出会います。二人はポスト印象派であり、近代絵画のパイオニアでもあります。
●日本初!二大巨匠の共演「ゴッホとゴーギャン展」
二人の作品は特に重要な作品と位置付けられ、世界的にみても借用が難しい。日本では「ゴッホ展」「ゴーギャン展」がそれぞれに何度か開催されてきました。今回、国内外の主要美術館の協力を得て、世界的にも開催の難しい「ゴッホとゴーギャン展」を日本で初めて実現します。
●二人の画家が描く、“リアリティー(現実)”と“イマジネーション(想像)”
「リアリティー(現実)」と「イマジネーション(想像)」は、ゴッホとゴーギャンを知るうえで欠かせないキーワードで、二人の画家の表現の違いや影響関係を明らかにしてくれます。
●「最高傑作」、来日。それぞれの「収穫」
今回、ゴッホとゴーギャンがそれぞれに「最高傑作」と認めた2点のアルルの「収穫」が特別に出品されます。ゴーギャンの「収穫」は、日本初公開となる《ブドウの収穫、人間の悲惨》です。
【監修者 シラール・ファン・ヒューフテン氏による展覧会趣旨説明】
ゴッホとゴーギャンの二人の作品を同時展示するには、色々と課題がありハードルの高いなか、日本はもちろんアジア初でもありますが、今回「ゴッホとゴーギャン展」を実現することができました。
今回の「ゴッホとゴーギャン展」では、二人の偉大な画家とその交友関係といこれまでにないテーマに取り組んでいます。ゴッホとゴーギャンが南仏アルルでともに過ごした2ヶ月間はもちろんのこと、その共同生活前後も含め丁寧に辿ります。二人が交わした書簡にも注目し、共通点と相違点、互いの作品への評価や影響関係を探っていきます。
ゴッホは日常の現実から作品を制作し、ゴーギャンは自由に想像を広げ創作した画家と言えます。
二人の共同生活は2ヶ月間と短いものでしたが、とても重要な期間でした。互いの作品を評価し、時にはぶつかり合い、お互いを賞賛しあう二人でした。離れても二人の交流は続きます。
■第1章「近代絵画のパイオニア、誕生」の主要作品
ポール・ゴーギャン《自画像》(写真右)
■第2章「新しい絵画、新たな刺激と仲間との出会い」の主要作品
フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》(写真中央)
フィンセント・ファン・ゴッホ《パイプと麦わら帽子の自画像》(写真右)
ポール・ゴーギャン《マルティニク島の風景》(写真右)
■第3章「ポン=タヴェンのゴーギャン、アルルのファン・ゴッホ。そして共同生活へ」の主要作品
ポール・ゴーギャン《ブドウの収穫、人間の悲惨》(写真右)
■第4章「共同生活後のファン・ゴッホとゴーギャン」の主要作品
ポール・ゴーギャン《ハム》(写真右)
ポール・ゴーギャン《紡ぐブルターニュの少女》(写真右)
■第5章「タヒチのゴーギャン」の主要作品
このように真室佳武館長のお話や、監修者シラール・ファン・ヒューフテン氏の展示解説など、司会進行のTBSテレビ秋沢淳子アナウンサーとともに、1時間余りに渡り密度が濃い記者発表となりました。監修者シラール・ファン・ヒューフテン氏が説明されていた通り、非常に貴重な展覧会になりそうです。「ゴッホとゴーギャン展」は、東京都美術館にて10月8日から公開となります。その際は、世界的にも開催の難しい日本初(アジア初)の「ゴッホとゴーギャン展」に是非足をお運びください。