6月21日より東京国立博物館にて、新石器時代からギリシャ本土のアルカイック時代、クラッシック時代を経てローマ時代までの傑作を集めた展示会が開催されます。
本日6月20日にプレス向け内覧会が開催されましたので、特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」の様子をお伝えいたします。
ギリシャは民主主義や、政治学、哲学、歴史学、文学、数学、そして医療などの学問、また演劇などの発祥の地です。
本展覧会は、8章から構成されており、文化・美術を壮大な歴史の流れとともに体系的に、ギリシャ国内のみ40か所以上から集められた300件を超える作品が展示されています。
この展覧会の見どころは、時代の経過とともに作品の変化がわかり、まさに時空を超えた旅を感じられるところです。
第2章「ミノス文明」の海洋様式、第5章「クラッシック時代」の浮彫り、第7章「マケドニア王国」の黄金、第8章「ヘレニズムとローマ」の大理石の像、どれを取っても古代ギリシャの芸術性の高さには、目を見張るものがあります。
それでは印象に残った作品を紹介していきます。
第1章「古代ギリシャ世界のはじまり」
第2章「ミノス文明」
海との特別なつながりを感じる作品です。ミノス人は海中生物から想を得た主題を土器装飾に好んで用いたと言われています。
写真右にある牡牛像は、とてもユニークな顔をしています。色もきれいに残っており色々な角度から見てみたい作品です。
前1600年代末にテラ島が大噴火し、火山灰に理没した町から発掘された「漁夫のフレスコ画」はとても色鮮やかです。エーゲ美術のモニュメンタルな絵画の中でも、最も重要な作品の1つに数えられています。
見逃さないで、通路の上にも注目してください。
第4章「幾何学様式~アルカイック時代」
クーロス像は、胸、腹部、腕、足の筋肉の美しさが際立つ作品です。この逞しい裸体は祖国を守る勇敢な戦士と、市民あるいは貴族としての義務の履行をおこたらない精神的人間が表現されているそうです。
第5章「クラッシック時代」
大理石の作品、そして描かれる絵の繊細さは、古代ギリシャを象徴とするものではないでしょうか。
第7章「マケドニア王国」
見事な黄金の作品が数々展示されています。ギンバイカの金冠は、枝や葉など、まるで本物のように精工に作られています。
第8章「ヘレニズムとローマ」
ヘレニズムとローマに古代ギリシャの文化が影響を与えていることがわかります。
このように素晴らしい作品の数々を、壮大な歴史の流れとともに目にすることができる日本初の機会となります。
ギリシャ旅行でこの作品をすべて見ようとすると、3日あっても足りないそうです。
新石器時代の抽象的な造形から、時代を追うごとに造形の完成度が高まっていくところは、人間の進化と重なり興味深く感じられます。また黄金の作品も素晴らしく、古代ギリシャとはどの作品からも時代の先駆けとなっていたのではと思えるものばかりです。
さらに、2016年は近代オリンピック開催の1896年から120周年にあたり、夏にはブラジルのリオデジャネイロ・オリンピックが開催される年です。
続く2020年の東京オリンピック開催に向けて、オリンピック発祥の地の歴史と文化に触れ、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
本展覧会で古代ギリシャの新たな発見ができるかもしれません。
展示概要:https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/6428
公式HP:http://www.greece2016-17.jp/