独立行政法人国立科学博物館(館長:篠田 謙一)は、来る2023年7月11日(火)から8月21日(月)まで、科博NEWS展示「落下から100年の時を超え新登録された『越谷隕石』」を開催いたします。
越谷隕石は、1902年(明治35年)に現在の埼玉県越谷市に落下した隕石で、発見者の自宅に長年保管されていたものです。2021年に当館に分析依頼があり、2023年2月に国際隕石学会に「越谷隕石(Koshigaya)」として登録されました。
当展示では、この新登録隕石の実物標本と隕石薄片を展示し、パネル解説で紹介します。
【開催期間】 令和5年7月11日(火)~8月21日(月)
【開催場所】 国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
日本館3階南翼「変動する日本列島」日本に落下した隕石のコーナー
【主 催】 国立科学博物館
【協 力】 国立極地研究所
展示概要
越谷隕石は100年以上前の1902(明治35)年3月8日に埼玉県南埼玉郡桜井村大字大里(現在の越谷市)の田畑に落下した隕石です。田畑の所有者である中村家に長年保管されてきましたが、2021年に越谷市郷土研究会を通じて当館に成分分析の依頼があり、分析の結果、隕石であることを確認しました。国内で54番目に確認された隕石となります。また、国立極地研究所および九州大学の協力を得てさらに詳細な分析を行い、分類を確定しました。そして、国際隕石学会にて「越谷隕石(Koshigaya)」の名称で本年2月23日に登録されました。
本展示では所有者から借用した隕石実物標本と、分析・保存用に寄贈いただいた切断片を展示いたします。また、偏光顕微鏡を使って隕石薄片を観察できるほか、この隕石薄片の分析の結果や分類などをパネル解説で紹介いたします。
なお、日本に落下した隕石は、これまで53件が知られており、2020年に落下した習志野隕石を含め、この内の約半数にあたる26件の隕石を、今回のNEWS展示を行う日本館3階南翼「変動する日本列島」日本に落下した隕石のコーナーに展示しています。
展示物
越谷隕石実物標本
鉱物組成分析の結果などから、L4 普通コンドライト(球粒隕石)と分類されました。越谷隕石本体から保存・ 分析用に切断し、寄贈いただいた約120gの小片も同時に展示いたします。
越谷隕石の薄片
隕石薄片は、隕石を光が透けるほど薄くしたもので、偏光顕微鏡を用いることにより鉱物の干渉色が見られ、組織を観察しやすくしたものです。本展示では、偏光顕微鏡を使って越谷隕石の薄片を観察することができます。