本日、国立西洋美術館にて「ボルドー展-美と陶酔の都へ-」のプレス向けの内覧会がありましたので、その内容をご報告いたします。まず、ボルドーと言って思い浮かぶ事といえば、「ワイン」ですが、「ワイン」だけではないボルドーの魅力を知ることができる展覧会としてその内容をご紹介させていただきます。
この展示会で特に素晴らしい展示物と言えば、ドラクロアの「ライオン狩り」です。絵画自体も大きいですが、良く知られている絵画とあって迫力が違います。絵画の上半分が火事で焼失してしまったのが大変残念ですが、ドラクロアの絵画の傍にあるルドンの模写と比較するとその迫力の差が素人目でめても分かるほどです。この絵画は一見の価値があります。是非見比べていただきたいと思います。
ウジェーヌ・ ドラクロア「ライオン狩り」
また、展示物の中には、18世紀や19世紀のボルドーの街並みを知ることができる絵画が多くみられます。 ピエール・ラクールの「ボルドーの港と河岸の眺め(シャルトロン河岸とバカラン河岸)」は、川・船・街が鮮明かつ詳細に描かれており、この時代のボルドーの街の様子をうかがい知ることができる作品です。
左:ピエール・ラクールの「ボルドーの港と河岸の眺め(シャルトロン河岸とバカラン河岸)」
この他にも、アルフレッド・スミスが描いた「ボルドーのラ・グラーヴ河岸」など、見応えある風景が展示されています。
左:アルフレッド・スミス「ボルドーのラ・グラーヴ河岸」
もう一点、見逃せないものが、歴史画です。印象に残った展示物として、ピエール・ナルシス・ゲランが描いた「フェードルとイポリット」やピーテル・パウル・ルーベンスの「聖ユストゥスの奇跡」です。ピエール・ナルシス・ゲランが描いた「フェールドとイポリット」では、それぞれの登場人物がそれぞれの立場にあった表情や苦悩が描かれており、この絵画からそれまでのストーリーが想像できてしまうほど、その表情は巧みに描かれています。
右:ピエール・ナルシス・ゲラン「フェードルとイポリット」
この他にも多くの魅力ある作品が展示されています。そして、この展示会を通して、展示物の魅力だけでなく、ボルドーという街が、近世から近代にかけて貿易港として栄えてきたという歴史を知ることができる点です。ワインの産地としてのボルドーというだけでなく、優れた歴史や文化を持つ街として私たち日本人の認識を変えてくれる展示会であると考えています。是非、この機会に国立西洋美術館にご来館いただき、ボルドーの魅力に触れていただきたいと思います。
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