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【東京都美術館】 「ゴッホとゴーギャン展」内覧会レポート

2016年10月8日(土)から12月18日(日)まで、東京都美術館にて「ゴッホとゴーギャン展」が開催されます。本日、プレス内覧会が開催されましたので、展示の様子をお伝えいたします。

ファン・ゴッホとゴーギャンは、1887年にパリで運命の出会いをしました。大きく異なる絵画表現の二人は、互いの作品に惹かれすぐに親交を結び、1888年に南仏アルルで共同生活を始めますが、約2カ月間で悲劇的な別離を迎えてしまいます。
アルルでは、二人はともに戸外で制作したり、同じモデルを異なる角度から描いたりしました。また、想像で描くことをゴーギャンから勧められたファン・ゴッホは、この新しい試みにも挑戦しています。もともと異なる資質をもつ二人だからこそ、アルルでの制作は互いにとって刺激となり、優れた作品が数多く生み出されました。共同生活は短期間で破綻してしまいますが、ゴーギャンがアルルを去ったあとも手紙を通じて交流は続き、そこで交わされた芸術論もまた互いの作品に影響を与えました。

本展覧会は、「第1章 近代絵画のパイオニア誕生」「第2章 新しい絵画、新たな刺激と仲間との出会い」「第3章 ポン=タヴェンのゴーギャン、アルルのファン・ゴッホ、そして共同生活へ」「第4章 共同生活後のファン・ゴッホとゴーギャン」、「第5章 タヒチのゴーギャン」と二人の共同生活を中心に初期から晩年のいたるそれぞれの軌跡を辿っていきます。


それでは、展示風景をご紹介していきます。
 
第1章 近代絵画のパイオニア誕生

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ファン・ゴッホの初期の作品ですが、とても暗い色調が印象的です。

ゴーギャンの愛娘アリーヌを描いた作品は、温かみが感じられます。この作品はゴーギャンがまだアマチュア画家のときに描かれました。

ここではファン・ゴッホとゴーギャンの作品はもちろん、それぞれに影響を与えた画家の作品も展示されています。
 

第2章 新しい絵画、新たな刺激と仲間との出会い

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1886年2月末頃、ファン・ゴッホはパリに移り印象派の影響を受け、暗い色調から明るい色調に変わっていきます。
ファン・ゴッホの自画像が3枚並び、劇的な色使いの変化が一目で見ることができます。

特に印象的だったのは、ファン・ゴッホ「靴」と「石膏トルソ(女)」です。ほぼ1年でこんなに色調が違うのかと驚きました。

ゴーギャンの自然豊かな作品に癒される気がします。

ここでは、ファン・ゴッホとゴーギャンが出会う直前までの作品を見ることができます。
 

第3章 ポン=タヴェンのゴーギャン、アルルのファン・ゴッホ、そして共同生活へ

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ここでの見どころは、ファン・ゴッホ「収穫」とゴーギャン「ブドウの収穫、人間の悲惨」でしょうか。これはファン・ゴッホとゴーギャンがそれぞれに最高傑作と認めた2点の「収穫」が並びます。ファン・ゴッホは目に見える風景を描き、ゴーギャンはアルルで目にしたブドウ園にここには居るはずのないブルターニュの女性を配置して、アルルとブルターニュという二つの土地を融合し描きました。ここでも二人の絵画表現の違いが分かります。

また、ファン・ゴッホ「ゴーギャンの椅子」も見どころの一つです。
 

第4章 共同生活後のファン・ゴッホとゴーギャン

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第4章の興味深いファン・ゴッホ「タマネギの皿のある静物」とゴーギャン「ハム」の作品には、どちらも“タマネギ”が描かれています。ゴーギャンの作品は「ハム」なのになぜタマネギが描かれたのか…ただの偶然かもしれませんが、不思議な共通点だと感じました。
 

第5章 タヒチのゴーギャン

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1891年、ゴーギャンは文明の影響から解放されて、「汚れなき自然」を求め、南太平洋に浮かぶタヒチへ赴きますが、タヒチでの作品は赤が印象的です。

ゴーギャン「肘掛け椅子のひまわり」も見どころです。ゴーギャンは、タヒチになかったひまわりの種をフランスから取り寄せるほど、亡きファン・ゴッホに想いを馳せたのではないでしょうか。


ファン・ゴッホは力強い筆触と鮮やかな色彩で日常の現実み見出される主題を描き、一方でゴーギャンは装飾的は線と色面を用いて、目に見えない想像の世界を表現しようとしました。このようにまったく対照的な二人が出会ったのは、やはり運命だったのでしょう。

本展では、ファン・ゴッホとゴーギャン二人の大きく異なる絵画表現、それぞれの作風の移り変わりを見てとることができます。また、偉大な二人の画家の関係性に焦点を当てた展覧会は、日本では今回が初めての試みであり、ファン・ゴッホとゴーギャンの作品はもちろん、彼らが影響を受けたバルビゾン派や印象派などの画家たちの絵画を合わせ68点の作品を堪能できる絶好の機会となります。作品68点の中に「第3章 ポン=タヴェンのゴーギャン、アルルのファン・ゴッホ、そして共同生活へ」でご覧になれるゴーギャン「ブドウの収穫、人間の悲惨」は、日本初公開です。ぜひこの機会にご覧になってはいかがでしょうか。


展覧会の開催概要はこちら:
https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/8046


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