<どらやきのおすすめの食べ方は?>
「うさぎやのどらやきは、作りたてを食べてもらうのが一番おいしいと思っています。あたたかいうちに食べてもらいたい。作り立てのどらやきは、餡と皮は、まだ馴染んでいませんが、餡子と皮を一緒に食べると程よく混ざって、どちらかが残るのではなく、一緒に呑み込めるというバランスに仕上がっていると思います。」
<どら餡ソフトau lait>
東日本大震災の後、皆の心がふさぎ込む中、何か話題になる楽しい商品を出さなくてはと思って、豆乳のソフトクリームを販売しました。しかし、材料の調達ができなくなりました。そんなとき、紋別にいる友人の誘いで、流氷を見に行ったとき、ノースプレインファームという牧場の会長を紹介して頂いたとのことです。
最初、和菓子屋でミルクを使った商品は、やるべきではないと思っていたそうです。ただ、「このミルクに餡子混ぜたらおいしいでしょうね。」と意気投合。
それで登場したのが「どら餡ソフト au lait」。通常のソフトクリームに、牛乳を少し多めに入れることで、ソフトクリームの濃さが弱まってさっぱりした味わいになり、餡子のおいしさが引き立っています。
この商品を通してお客様同士が会話するようになりました。そして口コミで徐々に広がっています。
<うさぎやCAFÉ>
うさぎやでは、この夏、また新たな試みにチャレンジされます。うさぎやの店舗にほど近い場所に、「うさぎやCAFÉ」をオープン。このカフェでは、店舗で販売していない商品をメニューとして提供します。そしてこの店舗のテーマはコラボレーション。
一部メニューを紹介。
カフェのイチオシは「うさ氷」。このかき氷はハワイで採取された「ハワイウォーター」を使ったものです。これを製氷して掻いた氷と、どらやきの餡子を合せています。さらにどらやきの皮に使っているハチミツをかけています。見た目はシンプルですが、この3つが混ざった感じが何とも言えないおいしさです。トッピングとして、広島のお酒が用意されています。これをさっと掛けて食べてみると、また違う味わいが口の中いっぱいに広がります。蜂蜜と一体になり、ほのかな甘さがくせになります。
もう一つは、水飯。浅草橋にある鮒佐の佃煮をご飯にのせ、この上から冷やしたハワイウォーターを掛けて食べます。これから暑くなるこの時期にピッタリのメニューです。
メニューは季節に合せてこれからも増やしていくそうです。谷口さんの頭の中にあるアイデアが、新たなコラボレーションを生み出し、具体的にメニューになるのが楽しみです。
<最後に上野の魅力とは? 外国の方はいらっしゃいますか?>
「上野は街だけでなく、山に行くと美術館などの文化施設があり、それも上野の特徴です。街と山を行き来して頂けるようになると良いでしょうね。」
最近店舗に来られる外国人は、タイ人の方が多いとのことです。次に中国、韓国の方。
うさぎやには、親子三代で来られるお客様も多いそうです。一方、外国の方にも良さを知って頂きたいと思っています。
谷口さんのお話を伺って一貫して感じられたことは、お菓子作りに対する熱い情熱と、真摯に取り組む姿勢です。変わらない伝統の中で、新しいことに取り組むことはパワーの要ることだと思いますが、うさぎやさんの次なるチャレンジに期待せずにはいられません。