漫画家・大友克洋さんが描くバベルの塔『INSIDE BABEL』が完成! 4/18~7/2 東京都美術館で公開

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2017年4月18日(火)から東京都美術館で開催される「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」でブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」(1568年頃)が来日するのを記念して、漫画家で映画監督の大友克洋さんが同作品からインスピレーションを得た作品「INSIDE BABEL」のお披露目発表会が4月13日に開催されました。
 
大友克洋さんはかねてよりブリューゲルを好きな画家の一人に挙げており、ブリューゲルの「バベルの塔」2作品のうち、ウィーン美術史美術館所蔵の作品をもとに「未来都市」(1984年)という作品も手掛けています。今回ボイマンス美術館所蔵のもう一つの「バベルの塔」が来日するにあたり、一足先にロッテルダムのボイマンス美術館に赴き、作品をじっくり観察。同館の学芸員との意見交換などを経て、入念な研究と検証を元に独自の解釈を加えた「INSIDE BABEL」を生み出しました。
 
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大友さんは今回ボイマンス美術館所蔵の「バベルの塔」を見たのが初めて。「500年前の絵とは思えないくらい鮮明で保存状態が素晴らしく、見とれてしまいました。」と、そのときの様子を語ってくれました。
 
また、「ブリューゲルの原画を見たのは今回初めてでした。綺麗だな、生で見ておいて良かったなと思いました。」と語ってくれたのは、取材旅行に同行した共同制作者のコラージュ・アーティスト河村康輔さん。
 



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左:河村康輔さん   右:大友克洋さん
 
大友さんと河村さんによって「INSIDE BABEL」が披露されました。
「INSIDE BABEL」はバベルの塔の内側が描かれています。「バベルの塔の中を描いたら面白いかなと思って」と内側を描いた経緯を語ってくれました。
 
塔の下には川が流れているのではないか、川があれば資材が運べ、内側から作業ができます。また、内部を空洞にしたら、資材が少なくて済むし、ケーキのように重さが中央に集まるようになって材料費もかからないと考えました。と大友さん。
 
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大友さんは地下構造を考えたり、内部を空洞にしたりするなど、実際に巨塔を建てるにはどのような内部構造が必要かを想像しながら、構造を再現するために50枚以上の手描きスケッチを描きました。
 
色をつける作業は、大友さんと長年タッグを組んでいる河村さん。大友さんが描いた下絵に、ブリューゲルの絵から抽出した2万個以上のパーツをデータ上で貼り合わるデジタルコラージュ手法で彩色しました。大友さんとリアルに忠実に作るため、常に話し合いこだわったそうです。
河村さんは、途中でどこを作っているのかわからなくなりました。と細かい作業で大変だったことを明かしてくれました。
 
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中で生活している人がいるだろうと考えて、楽しみながら描きました。
細かいので近くで見ていただきたいです。内部まで描かれているので、ぜひ足を運んで欲しいです。と大友さん。
 
内部にどんどん入っていける絵なので、部屋の中一つ一つ近くで見て欲しいです。と河村さん。
 
驚異の細密描写で知られる500年前のブリューゲルと、現在の細密描写の鬼才・大友克洋さんの才能が出たって完成した「INSIDE BABEL」は、4月18日(火)から7月2日(日)まで、東京都美術館の「ボイマンス美術館所蔵ブリューゲル『バベルの塔』展 16世紀ネーデルランドの至宝-ボスを超えて-」で特別公開されます。
 
 
「INSIDE BABEL」には、遊び心で「化け物」と「タラ夫」が描かれています。ヒントは…

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ぜひ、会場で探してみてください。


大友克洋
漫画家・映画監督。1954年、宮城県生まれ。
1973年『銃声』にてデビュー。1979年初の単行本となる『ショート・ピース』で注目を集める。映画では、『幻魔大戦』(キャラクターデザイン)、『迷宮物語』(『工事中止命令』監督)などを経て、1988年長編アニメーション作品『AKIRA』を皮切りに『MEMORIES』(1995年)、『スチームボーイ』(2004年)、『蟲師』(2007年)など自ら監督して活躍している。2013年、紫綬褒章を受章。

《おもな受賞歴》
第4回日本SF大賞(『童夢』、1983)、第15回星雲賞コミック部門(『童夢』、1984)、第8回講談社漫画賞(『AKIRA』、1984)、フランス政府より芸術文化勲章シュバリエ(2005)、アニー賞ウィンザー・マッケイ賞(2014)、フランス政府より芸術文化勲章オフィシェ(2014)、アングレーム国際漫画祭最優秀賞(2015)
 
 
河村康輔
コラージュ・アーティスト。1979年、広島県生まれ。東京都在住。
アメリカ、スイス、ドイツ、フランスなど国内外の様々な美術館、ギャラリーで個展、グループ展を開催しつつ、Winston Smith、KING JOE、SHOHEI、大友克洋等との共作を制作。主な作品に、「大友克洋GENGA展」(2012)、「LUMINE×エヴァンゲリオン」(2012)、映画『SHORT PEACE』(2013、「ZIMA」キャンペーンイベント「OPEN TO CHANGE.ZIMA」(2015)。グラフィックデザイナー、アートディレクターとしても活躍し、多数のアパレルブランドにグラフィックを提供、DVD・CDのジャケット、書籍の装丁、広告等のデザイン、ディレクションなども手掛ける。作品集『2ND』(ERECT Lab.)、『MIX-UP』(ワニマガジン社)、『22ldols』(ERECT Lab./Winston Smithとの共著)、『LIE』(Bootcamp magazine Vol.13(free magasine))、対話集『1q7q LOVE & PEACE』(東京キララ社)を刊行。ファッション雑誌「EYESCREAM」、季刊誌「TRASH-UP!」(根本敬氏と共作の実験アート漫画「ソレイユ・ディシプリン」)にて連載を持つ。


「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展 16世紀ネーデルラントの至宝 - ボスを超えて -」開催概要はこちら
https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/13562
 
内覧会レポートはこちら
https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/13802


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