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雪舟「倣夏珪山水図」東京で初の一般公開、特別展「名作誕生-つながる日本美術」にて

倣夏珪山水図 雪舟等楊筆
室町時代・15世紀 山口県立美術館寄託
[展示期間:5月8日~5月27日]

 
2018年4月13日(金)~5月27日(日)の期間、東京国立博物館 平成館で開催される特別展「名作誕生-つながる日本美術」にて、室町時代に活躍した水墨画家、雪舟等楊の「倣夏珪山水図(ほうかけいさんすいず)」が出品されることとなりました。
 
1933年以降、所在不明だった幻の作品で、昨年84年ぶりに再発見され、改めて雪舟の真筆と確認されて話題となりました。東京での一般公開は、本展が初となります。
 
本展では、日本美術史上の巨匠、雪舟の作品 9 件を、【雪舟と中国】のつながりをテーマに、南宋時代の夏珪(かけい)や玉㵎(ぎょくかん)などの作品とともに紹介されます。

 

・新出の雪舟画「倣夏珪山水図」について



 

84年ぶりに姿を現した雪舟の山水画です。最後に人目に触れたのは、昭和8年10月に東京美術倶楽部で行われた、双軒庵・松本松蔵の旧蔵品の売立(オークション)。松本松蔵は、九州電気軌道(西日本鉄道の前身)の社長をつとめた人です。その後は秘蔵されて所在が知られなくなっていましたが、昨年「再発見」されて話題となり、10月末から12月の初めまで、山口県立美術館の「雪舟発見!展」で展示されました。
 
墨の線で区切られた画面の、内側には「雪舟」、外側には「夏珪(圭)」と、二人の画家の名が書かれています。夏珪は中国・南宋時代の画院画家(宮廷画家)で、雪舟から見れば 200年以上前の人です。なぜその名があるかというと、室町時代に最高の価値を持っていたのは中国絵画で、日本の画家たちも「夏珪風(夏珪様)で一枚」というように、著名な中国画家の画風で描くことを求められたから。この絵は、そのような需要に応じるためのメニューのようなものでした。同じ形式の絵が 12点、江戸時代初期の狩野常信の模本で知られ、牧溪や梁楷など6人の中国画家の名が記されています。そのうち6点は雪舟の真筆が知られていましたが、この絵の再発見で7点目が確認されたことになります。
 
しかし夏珪の絵と比べてみると、そっくりというわけではありません。水墨のみずみずしさを活かした夏珪の絵に対して、岩のかたちも梅の枝振りも力強く、色もきっちりと着けられて、かなり雪舟風のアレンジになっています。「古に倣い」ながら「新意を出す」――古典をアレンジしながらオリジナリティを獲得する――というのも、画家たちの「古典とのつながり方」のひとつでした。この絵のようなプロセスを経て、「山水長巻」(毛利博物館蔵)や「秋冬山水図」(東京国立博物館)のような、夏珪風の代表作が生まれてゆくことになります。この小品は、そこへの道程を示すもの。模本では分からない雪舟のパワーを感じていただければと思います。
 
『國華』編輯委員 島尾新(学習院大学教授)

 

・本展で展示される雪舟の作品(9件)

※会期中、展示替えがあります。
 
[前期展示]
●破墨山水図 東京国立博物館蔵
◎倣玉㵎山水図 岡山県立美術館蔵
 潑墨山水図 東京・根津美術館蔵
◎潑墨山水図 大阪・正木美術館蔵
◎四季花鳥図屛風 京都国立博物館蔵

[後期展示]
●天橋立図 京都国立博物館蔵
倣夏珪山水図 山口県立美術館寄託
◎四季山水図 東京・石橋財団ブリヂストン美術館蔵
◎四季山水図 東京国立博物館蔵

●国宝 ◎重要文化財

 

・開催概要

 

展覧会名 創刊記念『國華』130 周年・朝日新聞 140 周年
特別展「名作誕生-つながる日本美術」

会期 2018年4月13日(金)~5月27日(日)
前期展示:4月13日~5月6日
後期展示:5月8日~5月27日

開館時間 午前9時30分~午後5時
※金曜・土曜は午後9時、日曜・祝日は午後6時まで
※入館は閉館の30分前まで

休館日 月曜日
※ただし4月30日(月・休)は開館

URL http://meisaku2018.jp/

問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

 
報道発表会レポートはこちら:
https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/20280

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