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国立科学博物館 特別展「昆虫」新種昆虫ネーミングセレモニーを取材しました

国立科学博物館(以下、科博)にて2018年10月3日(月・祝)まで開催されている特別展「昆虫」。昆虫の体のしくみや能力、生態まで、科博ならではの充実した昆虫標本に加え、CGや体感型など多角的な展示方法で紹介している科博初の昆虫の大型特別展で、来場者数はまもなく30万人に達するそう。
 
本展開催中には「昆活」と称した昆虫に関する企画を次々と打ち出していますが、今回のセレモニーはその昆活企画第2弾「君の名が。虫の名に。」を締めくくる一大イベントです。
 

昆活企画第2弾「君の名が。虫の名に。」とは



本展では展覧会の開催に向けて、まだ発表されていない、新種の昆虫を見つけるべくインド洋の島・マダガスカルを訪れ、セイボウ(青蜂)の一種を発見しました。
 
その後の調査でこのハチが新種であることがわかり、このハチに来場者の名前をつけて論文で発表する、という本企画が実現しました。
 
来場者のなかから希望者を募ったところ、なんと1000通以上の応募があったそう。そのなかから見事小学2年生の女の子が当選!今回その当選発表会=ネーミングセレモニーが行われました。
 

発見者・九州大学 三田敏治助教

2018年2月、マダガスカルへ赴いた三田助教。「衝突版トラップ」や「イエローパントラップ」といった独自の仕掛けによって採取した昆虫のなかから今回の新種が発見されました(トラップについては展覧会場内で詳しく説明されています)。
 
三田助教「現在地球上で知られている(=名前の付いている)昆虫は100万種以上ですが、実際にはその3~5倍、研究者によっては10倍の昆虫が生息しているとされています。今回のケースのように、これまでになかった手法により新たな発見の可能性は大いにあるので、これからどんどん新種が見つかることに期待しています。」
 

 
 

本展オフィシャルサポーター 香川照之さん

“昆活マイスター”こと本展のオフィシャルサポーターの俳優・香川照之さんも登場して当選者を迎えます。
 

 
 

当選者・松島 理桜(まつしま りお)ちゃん登場

いよいよ当選者の登場です。
 
小学2年生の松島 理桜ちゃん。ステージ上で元気いっぱいにその喜びを語ってくれました。
 
理桜ちゃん「昆虫が大好きで、(新種の昆虫に自分の名前がつくことは)前からの夢だったので、とっても嬉しいです。家では20匹の昆虫を買っています。将来は昆虫博士になりたいです。」

 
 

 
 
そんな理桜ちゃんに、三田助教からアドバイスがありました。
 

 
 
三田助教「昆虫博士になるためにはいろいろと調べて知識や技術を身に着ける必要があり、一度博士になってからも勉強はずっと続きます。これからずっと昆虫と関わりつづけるという気持ちを持っていれば、面白い発見ができると思います。」
 
また、香川さんからも理桜ちゃんに向けて一言。
 
香川さん「地球環境を守ることも大切。理桜ちゃんが大人になってから、環境の変化で今いる虫がいなくなってしまう可能性もあるので、虫が住みよい世界を守っていくことにも目を向けてほしいです。」
 
その後、記念のパネルが香川さんから理桜ちゃんに贈呈されました。
 

 
 
この新種の「セイボウ(青蜂)」の一種に理桜ちゃんの名前が学名としてつけられます。学名を入れて発表した論文が認められれば、その学名は永遠に残ることになります。

 
 
三田教授によると、今回の企画は未記載種(新種)の発見から、名前をつけて論文発表をするというプロセスを一般のお客さんに知ってもらうために考えられたものだそう。
こうした企画や本展の数々のユニークな展示によって昆虫の世界がぐっと身近に感じられるようになった方も多いのではないでしょうか。


特別展「昆虫」は国立科学博物館にて10月3日(月・祝)まで開催されています。今回発見された新種の標本やその採取方法も展示されていますので、ぜひ会場に足を運んでみてください。

 
展覧会概要・内覧会レポートはこちら:https://home.ueno.kokosil.net/ja/archives/25980
 

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