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「UENOYES バルーンDAYS#3」プレスツアー 取材レポート

これまでにもココシル上野でお伝えしてきた、社会包摂をテーマにしたプロジェクト UENOYES(ウエノイエス)ですが、9 月、11 月に続き、2019 年 2 月 22 日(金)から 24 日(日)の 3 日間、上野と谷中地域を舞台に「UENOYES バルーン DAYS #3」が開催されました。
 
旧博物館動物園駅 一般公開記念インスタレーション『アナウサギを追いかけて』プレスツアー 取材レポート
 
3 回目となる今回は、『目を向ける。耳を澄ます。想像する。』をテーマに、海外アーティスト 2 組と国内アーティスト 3 名が、上野の歴史・文化資源などを独自の視点から探求し、作品を通して上野の魅力を発信します。
 
ココシル編集部はプレスツアーに参加しましたので、イベントの様子をお伝えします。
 


 
UENOYES バルーンDAYS#1、#2は上野恩賜公園周辺で開催されましたが、今回は上野から少し範囲を広げて谷中地区でもプログラムが展開されました。
 
江戸時代より寺町として知られる谷中は、現在でも寺院や墓地が散見され、町屋の残る趣ある地区です。
 
その町家のうちのひとつ、旧吉田屋酒店に「UENOYES バルーンDAYS#3」のインフォメーションが設置されていました。
 

 
江戸時代からの老舗であった同店はもともと谷中6丁目にありましたが、昭和61年に台東区に寄贈されたのち現在地(上野桜木2丁目)に移築復元されました。当時の店頭の様子が再現されており、展示されている道具類・文書類は実際に使用されていたものだそう。常時一般に無料開放されています。
 

 

 

 

 
谷中では2つのプログラムが開催されました。そのうちのひとつが小沢剛とタイニイハウスアートセンター研究員によるプロジェクト 「タイニイハウスアートセンター」の成果報告展覧会 「やね・せん氏の美術仕事アーカイブ展。約百数十年の約百選」。会場となったのは旧谷邸です。
 

 
美術家の小沢剛さんと、本プロジェクトのため発足したリサーチチーム「タイニイハウスアートセンター研究員」が旧谷邸を拠点に谷中界隈で芸術を支えてきた人々や技術を独自の視点でリサーチ。谷中在住でアート関連の仕事をしているという架空の人物「やね・せん」氏の存在を絡めて、この地域のアート情報をアーカイブ化した企画展を開催しました。
 

 

 
 
やね・せん氏のロングインタビュー映像も上映されました。
 

 
 
「やね・せん氏 芸術文化交友関係図」には実在の人物の人物の居住地が示されていました。なんと蒋介石氏も谷中に住んでいたことがあるそう。
 

 

 
谷中でのもうひとつのプログラムは地主麻衣子によるドキュメンタリー映像「わたしたちは(死んだら)どこへ行くのか」。国登録有形文化建築物である市田邸にて上映されました。
 

 
 
「死」をテーマに、谷中墓地を記録した20分の映像作品がループ上映されました。アーティストの地主さんと地元の方の会話や映像から、墓地の「今」が浮かび上がります。
 

 

 
上野に戻り、国立科学博物館の講堂にて上映されていた和田昌宏によるSF映画「名前が浮かばない」を鑑賞。ドキュメンタリーとフィクションを交えたSF映画で今までにない新たな視点から上野を見つめ直しています。
 

 

 
上野公園ではフィリピン在住のマーク・サルヴァトゥスさんによるサウンドインスタレーション『Whistles』および映像作品『Drawings』が展示・上映されました。移民やハーフをテーマに、東京に住むフィリピン人、フィリピンと日本のハーフの人々の口笛を収集して制作した作品です。
 


ツアー&リスニングワークショップで参加者に解説をするマークさん


 

サウンドインスタレーション『Whistles』についての作品解説


 
その他にも上野公園では、アーティストのPost-Museum(シンガポール在住)による参加型アートプロジェクト、「上野ケアクラブ(Ueno Care Club)が展開されました。
 

 


 
昨年7月より、上野公園とその周辺地域を舞台に、障がいなどの有無に関わらず、子どもから大人まで、人種や国を超えた様々な人とともに楽しめるアートプロジェクトとして展開してきた“UENOYES”は今回の「バルーンDAYS#3」をもって終了しました。複数の美術館・博物館を有しており、アートの発信拠点として注目されてきた上野公園ですが、“UENOYES”ではよりアートの世界に踏み込むことのできる、参加型のプログラムが多く見られました。
 
“UENOYES”を主催団体のひとつである上野文化の杜新構想実行委員会は、これまでも日本文化と芸術を国内外へ発信する様々なプロジェクトを企画してきましたが、“UENOYES”では海外からも複数のアーティストが作品提供しており、参加者にとってはまた違った視点から日本を見つめなおすよき機会となりました。
 
ココシルでは今後も上野のアート情報を発信していきますので、今回参加が叶わなかった方も新たなプロジェクトをどうぞ楽しみにお待ちください。
 

開催概要

名称: UENOYES バルーン DAYS #3(ウエノイエスバルーンデイズ ナンバー3)
会期: 2019 年 2 月 22 日(金)、23 日(土)、24 日(日)
会場: 上野恩賜公園、国立科学博物館、東京文化会館、黒田記念館、市田邸、旧谷邸、谷中界隈、ほか
参加費:無料 (一部、展示施設への入場料が必要)
主催: 上野文化の杜新構想実行委員会、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

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