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【7.20(土)より東京都美術館にて開催】伊庭靖子展 まなざしのあわい 報道内覧会レポート

2019年7月20日(土)から上野の東京都美術館で、「伊庭靖子展 まなざしのあわい」が開催されています。【10月9日(水)まで】
先日、本展の報道内覧会が開催されましたので、今回は、そのレポートをお届けします。


伊庭靖子展について

伊庭靖子さん

 

伊庭靖子は、画家としての自身の眼とモチーフのあわい(間)にある世界に魅せられ、触れたくなるような質感のモチーフやそれがまとう光を描くことで、そのものの景色を表現し続けてきました。
その創作スタイルは、自ら撮影した写真を元に制作するもので、2000
年代は、主に寝具や器をモチーフとしていました。
近年も、制作スタイルは変わっていませんが、接近していたモチーフとの距離が少しずつ広がっています。
風景への関心が徐々に高まり、周りの空間への視点が広がることにより、新たな展開を見せる伊庭作品。
今回の展覧会では、東京都美術館にて撮影した写真から描いた絵画をはじめ、版画、新たな試みとして映像作品が発表されています。

2009年の個展、「伊庭靖子――まばゆさの在処――」(神奈川県立近代美術館)以来、10年ぶりの美術館での開催となる「伊庭靖子展 まなざしのあわい」。
本展覧会は、近作・新作を中心に、新たな展開に至る前の作品も併せて展示することにより、伊庭靖子の10年の変化とともに、変わらない関心の核に迫ります。

 

展覧会のみどころ

展覧会の見どころは、3つです。

①10年ぶりとなる個展で、東京の美術館では、はじめての開催

国内外の主要な美術館に多く収蔵されている伊庭作品。
その人気は、美術館だけでなく、多くのコレクターにも愛されています。
今回の展覧会は、個人の邸宅で大切に保管されている、たくさんの所蔵者にご協力いただき、近作・新作につながる2004年からの作品を展示します。
普段は、中々見ることができないコレクターお気に入りの作品が目白押しです。



②新作中心の展覧会

今回の展覧会は、開催が決定した、2016年春から、3年余りの時間を掛け準備を行い、絵画、版画、映像といった新作を中心に展示しています。
東京都美術館で撮影した写真から描いた絵画は、伊庭のレンズと手を通して生まれ変わり、美術館を設計した前川國男の建築に新たな命を吹き込みました。

③映像作品に初挑戦

絵画に軸を置き、制作活動を広げてきた伊庭は、今回初めての映像作品に挑戦しています。
光に満ちた静謐(せいひつ)な空間を描く絵画から発展し、大気、光、雰囲気などの人間の目と見る物の対象との間にある様々なものを意識させる映像作品となっています。

 

展示作品紹介

 

Untitled 2018-02 油彩、カンヴァス  作家蔵(協力:MA2 Gallery)

この作品は、東京都美術館で撮影した写真から描かれています。
アクリルボックスにモチーフを入れて制作。
透明なアクリルボックスに反射して映り込む周りの景色と対象物の光が何重にも重なり合って、独特の世界を生み出しています。

 

 

Untitled 2006-07 油彩 カンヴァス 個人蔵

クッションを両手でギュッと抱きしめた後に出来る皺(しわ)の質感。
そこに暮らす人の生活の温もりも感じ取れるように思えます。
作品の前に佇むと、光を帯びて、作品が浮かび上がってくるような錯覚を覚えるから不思議です。

 

 

Untitled 2015‐01 油彩 カンヴァス 作家蔵(協力:MA2 Gallery)

ガラスの透明感、つや、器から伸びた影が、繊細に表現されています。
背景の淡い桜色が、対象物を際立たせています。

 

 

depth #2019 映像インスタレーション ランダム・ドット・ステレオグラム(交差視)/Random dot stereogram(Cross-eyed viewing)

伊庭の新作映像作品の内の一つ。
左右の目の視差を利用し、立体的に物を見る方法を使いスクリーンを見ると、ある画像が現れます。
人によって、日によっても見え方が変わってくるというから面白いです。
実際に目で見て感じ取ってください。

 


まとめ

 

「それぞれの作品を目で見て、体でも感じながら、ご自身の過去の思い出を呼び覚ましてもらいたい」と話す伊庭靖子さん。

目に見える対象物から目に見えないものの存在感を感じ取る。
それが伊庭作品の鑑賞の仕方です。

対象物とそれがまとう光を描くスタイルを取りながらも、絵画だけではなく、映像などの新しい視覚表現に挑戦し続け、変化する伊庭靖子。
本展覧会に、是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

 

開催概要

展覧会名 「伊庭康子展 まなざしのあわい」
会期  2019年7月20日(土)~10月9日(水)
会場 東京都美術館 ギャラリーA・B・C
休室日  月曜日、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)
※ただし、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開室
開室時間
9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00(いずれも入室は閉室の30分前まで)
※ただし、7月26日(金)、8月2日(金)、9日(金)、16日(金)、23日(金)、30日(金)は9:30~21:00
観覧料 当日券 | 一般 800円 / 大学生・専門学校生 400円 / 65歳以上 500
団体券 | 一般 600
※団体割引の対象は20名以上
※高校生以下は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※8月21日(水)、9月18日(水)は「シルバーデー」により、9月16日(月・祝)は「敬老の日」により、65歳以上の方は無料
※8月17日(土)、18日(日)、9月21日(土)、22日(日)は「家族ふれあいの日」により、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は、一般料金の半額
※いずれも証明できるものをご持参ください
※10月1日(火)は「都民の日」により、どなたでも無料

[サマーナイトミュージアム割引]
7月26日(金)、8月2日(金)、9日(金)、16日(金)、23日(金)、30日(金)の17:00~21:00は、一般600円、大学生・専門学校生無料(証明できるものをお持ちください)

[相互割引]本展会場入口で下記展覧会の観覧券(半券可)をご提示の方は、一般当日料金が割引になります(いずれも1枚につき1名1回限り、他の割引との併用はできません)

・特別展「コートールド美術館展 魅惑の印象派
一般当日料金から300円引き。本展の観覧券(半券可)を当館内のチケットカウンターでご提示の方は、「コートールド美術館展 魅惑の印象派」の当日券が100円引き
・東京都庭園美術館「1933年の室内装飾 朝香宮邸をめぐる建築素材と人びと
一般当日料金から200円引き。本展の観覧券(半券可)を、東京都庭園美術館の正門横の券売所でご提示の方は、「1933年の室内装飾 朝香宮邸をめぐる建築素材と人びと」の一般料金が180円引き・東京都現代美術館「あそびのじかん」展
一般当日料金から200円引き。本展の観覧券(半券可)を、東京都現代美術館のチケットカウンターでご提示の方は、「あそびのじかん」展の一般料金が120円引き

家族ふれあいの日
(https://www.tobikan.jp/guide/hospitality.html#anchor1)

シルバーデー
( https://www.tobikan.jp/guide/hospitality.html#anchor2)

都内教育機関 観覧料免除申請
(https://www.tobikan.jp/learn/exemption.html)

パパママデー
(https://www.tobikan.jp/guide/nurseryservice.html)

特設WEBサイト https://www.tobikan.jp/yasukoiba

※その他イベント情報は、特設WEBサイトにてご確認頂けます。

 

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