国立西洋美術館で、2020年3月3日(火)~2020年6月14日(日)の期間、
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
が開催されます。今回は、報道発表会で発表された本展の情報についてお伝えします。
開催趣旨
英国の至宝、すべて日本初公開。
英国が誇る世界屈指の「美の殿堂」、ロンドン・ナショナル・ギャラリー。「西洋絵画の教科書」ともいえる質の高い西洋絵画のコレクションで多くの人々を魅了してきた同館ですが、これまでまとまった数の作品を貸し出すことには慎重で、英国外で所蔵作品展が開かれたことは一度もありません。
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」は、その200年の歴史の中で初となる、館外における大規模な所蔵作品展。イタリア・ルネサンスからポスト印象派にいたる選りすぐりの傑作61点を通じ、英国とヨーロッパの相互関係の歴史を紐解きながら西洋絵画史を俯瞰します。
展覧会のみどころ
1.
世界屈指の美の殿堂、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、世界初の大規模所蔵品展。
1824年に設立され、現在では年間入場者が世界の美術館・博物館でもトップ10に入る約600万人に及ぶというロンドン・ナショナル・ギャラリー。本展は、同館がこれまで世界のどの場所でも開催したことがない、大規模な所蔵作品展です。
2.
フェルメール、ゴッホらの傑作を含む全61作品、日本初公開。
ルネサンスから19世紀ポスト印象派までの名品を一挙に公開。フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》、レンブラント《34歳の自画像》、ゴッホ《ひまわり》など、同館所蔵の世界的傑作が待望の初来日を果たします。
3.
「イギリスとヨーロッパの交流」をキーワードに、西洋絵画史を読み解く。
ロンドン・ナショナル・ギャラリーの最大の特徴は、幅広く質の高い「西洋絵画の教科書」とも言われるコレクションです。このヨーロッパ美術を網羅するコレクションによって、「イギリスとヨーロッパ大陸の交流」という視点から、西洋絵画の歴史をたどります。
展示作品紹介
本展における展示作品の中から一部をご紹介します。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ひまわり》
ゴッホがゴーガンに贈った「友情の証」。
アルル時代のゴッホが、友人のポール・ゴーガンとの共同生活を夢見て描いた4枚の「ひまわり」。その中でゴーガンの寝室を飾るにふさわしいと自ら認め、サインを施した2枚のうち、まさにその1枚です。
背景をそれまでの青から黄色に変えることで、さらに生命力の溢れる作品となっています。厚く塗られて画面をうねる黄色の絵具から、彼のエネルギーと創造性が放射されているかのよう。
カナレット(本名ジョヴァンニ・アンニトニオ・カナル)《ヴェネツィア:大運河のレガッタ》
当時の修学旅行先はイタリアがブーム?!
イギリスとヨーロッパとの関係に焦点を当てるのも本展の特徴のひとつ。こちらは、富裕層の子息たちが学業の締めくくりとしてイタリアを訪れる「グランド・ツアー」に沸き立つ18世紀に制作された作品です。
描かれているのは、カーニヴァルの時期にヴェネツィアの大運河で行われたレガッタの競技会。観光客や窓から身を乗り出す見物人など、活気に満ちた街の様子が感じられます。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《窓枠に身を乗り出した農民の少年》
埋もれていたスペイン絵画の「発見」。
17世紀後半のセビーリャで活躍したムリーリョは、質素な身なりの庶民の少年たちを主人公とした風俗画を多数描きました。本作は少年だけをクローズアップして描いたもの。
ムリーリョの風俗画は18世紀のイギリスで高く評価され、崇高な宗教的主題になじみがない庶民たちにも浸透。ゲインズバラやレノルズにも影響を与えました。
開催概要
展覧会名 |
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
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会 期 | 2020年3月3日(火)~6月14日(日) 午前9時30分~午後5時30分 (金曜日、土曜日は午後8時まで) ※入館は閉館の30分前まで |
休館日 | 月曜日 ※ただし、3月30日と5月4日は開館 |
会場 | 国立西洋美術館(上野公園) |
公式サイト | https://artexhibition.jp/london2020/ |
巡回情報 | 国立国際美術館 2020年7月7日(火)~10月18日(日) |