独立行政法人国立科学博物館(館長:林 良博)は、来る2020年11月10日(火)から12月13日(日)まで、科博NEWS展示「関東上空の大火球に伴って落下した新隕石『習志野隕石』」を開催いたします。
2020年7月2日に千葉県習志野市周辺に落下した隕石を分析し分類を確定して、国際隕石学会へ名称を「習志野隕石(Narashino)」として登録申請しました。この新落下隕石の実物標本と隕石が衝突した屋根瓦の一部などの関連資料を展示し、パネル解説で紹介します。また隕石薄片を偏光顕微鏡を使ってモニターで観察いただけます。
■展示概要
日本に落下した隕石は一昨年9月に落下した小牧隕石を含めてこれまで52件が知られており、この内の約半数にあたる25件の隕石を日本館3階「変動する日本列島」日本に落下した隕石のコーナーに展示しています。習志野隕石は2020年7月2日未明に関東地方上空を大火球が通り、これに伴って落下した新しい隕石です。1つ目の隕石片が千葉県習志野市のマンションで発見され、千葉県立中央博物館を通じて当館に同定依頼があり、ガンマ線測定を行って宇宙線生成核種を検出し、最近落下した隕石であることを確認しました。これは小牧隕石以来2年ぶりで、国内で確認された53番目の隕石となります。その後、約1km離れた千葉県船橋市内のアパートで2つ目の隕石片が発見され、1つの隕石がバラバラになって多くの破片を降らせる隕石雨(隕石シャワー)であることが確認されました。そして、国立極地研究所や九州大学の協力を得て詳細な分析を行い、分類を確定して国際隕石学会へ名称を「習志野隕石(Narashino)」として登録申請を行いました。そこで、本NEWS展示では、所有者から隕石実物標本を借用して(一部を寄贈いただきました)展示するとともに、隕石が衝突した屋根瓦の一部なども併せて展示して、隕石落下の様子を紹介いたします。また、隕石薄片を偏光顕微鏡を使ってモニターで観察していただくとともに、この隕石薄片の分析の結果や分類などを解説パネルで説明いたします。また千葉県立中央博物館と同時開催で、千葉では別の小片が展示されます。
【開催期間】 2020年11月10日(火)~12月13日(日)
【開催場所】 国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
日本館3階「変動する日本列島」日本に落下した隕石のコーナー
【主 催】 国立科学博物館
【協 力】 国立極地研究所、千葉県立中央博物館
■展示物
・習志野隕石実物標本
習志野市で最初に発見された約63gの小片「習志野隕石1号」(寄贈、一部を分析用に切断)と、船橋市で発見された約73gの小片「習志野隕石2号」(預託、一部を分析用に切断)、およびそれらの小さい破片の一部を展示します。(千葉県立中央博物館では別の破片が展示されます。)2号は落下から20日間屋外にあったため、隕石に含まれる金属が錆びて茶色くなっています。全ての破片を合わせると1号は156g、2号は194gになり、合計350gが回収されています。火球の観測からさらに大きな隕石片が落下していると考えられていますが、まだ発見されていません。
・習志野隕石の薄片
隕石薄片は隕石を切ってスライドガラスに貼り、さらに研磨して光が通り抜けるほど薄くしたもので、光学顕微鏡で隕石組織を観察できるようになります。偏光顕微鏡は光学顕微鏡の一種で、薄片試料の上下で偏光板を通すことにより鉱物の干渉色が見られ、組織が観察しやすくなるように工夫をされたものです。習志野隕石の薄片を偏光顕微鏡を使ってモニター観察することができます。
・習志野隕石2号が衝突して割れた屋根瓦の一部
習志野隕石1号はマンションの壁に当たったと考えられ、正確な衝突地点は分かりませんでしたが、2号はアパートの屋根瓦を割っているのが発見されました。この割れた瓦の一部をご寄贈いただきましたので展示いたします。
※現在、入館には予約が必要です。ご来館前に必ず公式ホームページをご覧ください。
【開館時間】9:00 ~17:00、金曜日・土曜日18:00まで開館いたします。
【休 館 日】毎週月曜日
【入 館 料】 一般・大学生 630円、高校生(高等専門学校生含む)以下および65歳以上 無料
【所 在 地】〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20
【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【公式ホームページ】https://www.kahaku.go.jp/